ハリウッドから干されたケビン・スペイシー、カンヌで涙のスピーチ
2025年5月23日 14:30

法的無罪を勝ち取った米俳優ケビン・スペイシーが、第78回カンヌ国際映画祭期間中の「Better World Fund」が主催するExcellence in Film and Television賞を受賞し、感情的なスピーチを行ったと、米Deadlineが報じている。性的不正行為疑惑によりハリウッドから事実上の締め出しを受けていたスペイシーが、約7年ぶりに国際的な映画祭の舞台に姿を現したことになる。
「Better World Fund」は2016年に設立された国際的な慈善基金団体で、「映画と芸術を人類への貢献に活用する」ことを使命とし、女性の権利、児童保護、教育といった社会問題への意識向上を図っている。同団体は毎年カンヌやベネチアなどの主要国際映画祭で慈善ガラを開催しており、これまでジュリエット・ビノシュやケビン・コスナーなどの著名人が参加している。
スペイシーは「アメリカン・ビューティー」(99)で主演男優賞、「ユージュアル・サスペクツ」(95)で助演男優賞を受賞した、2度のアカデミー賞受賞俳優。テレビドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」での主演でも高い評価を得ていたが、17年の#MeToo運動の中で複数の性的不正行為疑惑が浮上した。
その後、22年のニューヨーク民事訴訟では責任なしとされ、23年のロンドン刑事裁判でも全面無罪判決を獲得している。しかし、ハリウッドの主要スタジオ作品からは依然として距離を置かれた状態が続いていた。
カンヌのレッドカーペットで記者団に囲まれたスペイシーは、「とても多くの愛情と支援に囲まれていると感じています」と語った。キャリア復帰の可能性について問われると、「仕事ができることを嬉しく思っています」と慎重ながらも前向きな姿勢を示した。
受賞スピーチでは、ハリウッドの歴史における「ブラックリスト」問題に言及した。「法廷で無罪とされた人間を称えることが『勇敢なアイデア』と思われるなんて、誰が想像しただろうか」と述べ、1950年代の赤狩りで13年間ハリウッドから締め出された脚本家ダルトン・トランボの例を引用。「歴史はしばしば繰り返す。ブラックリストは我々の歴史の中の恐ろしい時代だった」と訴えた。
スピーチの終盤では、26年来の友人でマネージャーのエバン・ローウェンスタインへの感謝を込めて涙を流し、「彼のおかげで、この困難な数年間を怒りや恨みではなく、より愛情深く、理解し、許すことができる人間として乗り越えることができました」と語った。
現在のスペイシーは、ハリウッドではなく独立系や海外の映画プロジェクトで活動を続けている。カンヌでの登場は、#MeToo運動以降の映画界における告発文化や復帰のあり方について、新たな議論を呼ぶものとなりそうだ。
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