【第78回カンヌ国際映画祭】温かい拍手が会場を満たしたコンペティション部門唯一の日本映画「ルノワール」 パルムドールに推す海外評も
2025年5月20日 13:30

現在開催中の第78回カンヌ国際映画祭で、コンペティション部門唯一の日本映画「ルノワール」が披露され、早川千絵監督を筆頭に主演の鈴木唯、石田ひかり、リリー・フランキーがレッドカーペットを飾った。
早川監督のオリジナル脚本による本作は、80年代後半を舞台に、闘病生活を送る父親と、仕事に追われる母親のもとで、孤独な生活を送る11歳の少女フキの物語。思春期以前の、ナイーブな主人公の心情とともに、その眼差しを通してさまざまな問題を抱えた周囲の大人たちの人間模様が描かれる。
(C)Kazuko Wakayama公式上映後はスタンディング・オベーションによる温かい拍手が会場を満たし、フキを演じた鈴木の顔がスクリーンに映し出されると、大きな歓声が上がった。英ガーディアン紙やスペインのエル・ムンド紙が本作をパルムドールに推すなど、評価は上々だ。
早川監督は記者会見で本作について、「自分が映画を撮りたいと思い始めたのがフキぐらいの年頃で、その時に抱えていた気持ちや感覚をいつか映画にしたいと思ってきました。子どもが主役の映画を撮りたいという思いを、今回やっと実現させることができました」と語った。また本作のストーリーとは特に繋がりのない題名について、「自分が子どもの頃、有名な印象派の絵画の再制作が流行っていて、いろいろなところで目にして惹きつけられていました。とくにルノワールのイレーヌの肖像(『可愛いイレーヌ』)に思い入れがあります。たぶんこの時代の社会への郷愁が自分にあって、それを表すためにルノワールの作品を使ったのだと思います」と語った。

またオーディションで選ばれた鈴木について早川監督が、「フキはキャスティングがとても重要になると考えていたので、何百人でもオーディションをしようと臨んだのですが、鈴木唯ちゃんが現れた瞬間、ここにフキがいると感じ、すぐに決まりました」と説明すると、鈴木は、「早川監督とフキちゃんの行動や考え方を話し合いました。監督とわたしは相性がよかったんじゃないかと思うほど、ピースがはまっていくような感じでした」と回答した。

一方、早川監督は今回、ケリングが毎年カンヌで主催する「ケリング・ウーマン・イン・モーション」のプログラムで、是枝裕和監督と対談も果たした。そのなかで日本における女性監督の地位について言及。「自分が20代の頃は、アートの道に行くしかないと思っていたので、(この道を選ぶことは)難しくありませんでした。でもその後、子どもを持って、守るべきものができたときに、難しくなりました。またわたしが子どもの頃は、女性が監督になるのが困難な状況があり、ロールモデルがありませんでした。だから女性も監督になれますか、と周りに訊いたりしていた。でもいまの10代の人はそんなことを感じていないでしょう。それぐらい状況は変わってきていると思います」と語った。
(C)Kuriko Sato「つねに女性に支えられてきた」という是枝監督は、「現在の変化を継続させていくために、子育てによってキャリアがストップされてしまうような状況をどう克服するか、それを今やろうとしている。そのことで女性にとっての障壁が低くなっていくと思います」と、自身が現在取り組んでいる映画制作現場の改善を図る活動について語った。(佐藤久理子)
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