A24サイコスリラー「異端者の家」で“最恐の奇人”演じたヒュー・グラント 「エクソシスト」がトラウマ、実はホラーが苦手…と明かす
2025年4月26日 18:00

ヒュー・グラントが悪役を務め、天才的な頭脳を持つ男が支配する迷宮のような家に足を踏み入れた2人のシスターの運命を描いたA24製作の脱出サイコスリラー「異端者の家」が公開された。本作で、これまでの好紳士的な役のイメージを大きく裏切るミスター・リード役が高く評価された、ヒュー・グラントがオンラインインタビューに応じた。(取材・文/映画.com編集部)
布教のため森の中の一軒家を訪れた、ふたりの若いシスターが、優しげな家主の男性リードの招きで家に入ることに。シスターたちが布教を始めると、リードは「どの宗教も真実とは思えない」と持論を展開。不穏な空気を察した2人は密かに帰ろうとするが、玄関の鍵は閉ざされており、携帯の電波もつながらない。実はその家には、数々の恐ろしい仕掛けが張り巡らされており、シスターは巧妙なリードの話術に追い込まれていく……という物語。

この脚本を読んだ時に、何か自分なりのアイデアを出せるという確認がありました。その1つが大学教授です。かっこよい雰囲気で、学生たちの前では親しみやすく、その一方でややバカっぽい側面も見せられるような人物です。そういう人がサイコパスだったら面白いんじゃないかと監督に提案しました。
学生たちに最初は好かれるけれども、やっぱり変だと感づかれて、だんだんみんなが遠ざかっていく――ミスター・リードはずっとおそらくそんな人生を送ってきたんじゃないかと。人気者になろうとするけれども、どっかでやっぱり人が遠ざかっていて、その理由が自分でもわからない。だから友達がいない。シスターの2人が彼の家を訪れた日も、3人で楽しくパーティーをやろう、そんな気分でコミュニケーションを始めるものの、やっぱり2人を遠ざけてしまうという、そういう人物像を考えました。

現場で他の役者やスタッフと会話をして、お互いを知ることが好きなので、彼女たちとはお喋りもしました。ふたりともすごく優秀な役者で、若いのにとても落ち着いているんです。自分が緊張するタイプなので、なぜ彼女たちが現場であんなにクールにいられるのか不思議でした。その答えを探りながら撮影を進めましたが、その答えは得られないまま、撮影が終わってしまいましたね(笑)。

私自身、幼い頃は家族で教会に通っていましたが、14歳くらいだった頃、自分の中で無意味に感じて行くのを止めました。私のきょうだい、最終的には父親もその考えに共感して、唯一、母だけが今も教会には通っています。ですから、私は無神論者です。この作品でミスター・リードが宗教や無神論者について、多くのことを語りますが、私自身、今まで知らなかったことがたくさんありました。その1つが、キリスト教の教えが、その100年以上前から存在した他の宗教の一部として存在していたということ。そういう新しい事実の発見に驚きました。

実は、私はホラー映画が苦手なんです。特に、悪魔が嫌いです。キリスト教の文化圏では神がいて、悪魔がいて、人生で悪事を働くと地獄に落とされ、悪魔にフォークのようなもので刺されて、火で燃やされる……子ども時代からそういうものに対する恐怖を抱えていました。同時に、その頃「エクソシスト」を見て、ものすごく怖くて、今でも3週間に1回夢に出てくるくらいトラウマになっています。

悪魔を演じるというよりも、ミスター・リードの悲劇的な部分、友達がいない孤独な部分を強調したいと思いました。悪役を演じる時に、あまりにもあからさまに悪役だとつまらなく見えてしまう、その裏に潜む怒りや悲劇、そういうものを探って表現することによって役に深みが出て、より恐ろしく見えると考えたのです。
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