「片思い世界」から考える、キー局のダブル宣伝攻勢の効果は?【コラム/細野真宏の試写室日記】
2025年4月5日 06:00

映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。
また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。
更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)
今週末4月4日(金)から「片思い世界」(監督:土井裕泰、脚本:坂元裕二)が公開されました。
本作は「花束みたいな恋をした」のスタッフが再集結した作品なので期待値が高くなるのも分かりますが、決してハードルを上げずに見るのが良いと思います。
「花束みたいな恋をした」を試写で見たときには、全く予備知識の無い状態で見ましたが、あまりの出来の良さに驚きました。
配給会社の東京テアトル、リトルモアは規模が大きくなく、興行収入10億円という壁を超えるのが極めて難しく思える状況にありました。
ただ、これほど良く出来た作品が興収10億円を超える大ヒットをしないとおかしいと考え、本コラム等の紹介で頑張りましたが、実際に見た人たちの好意的な口コミがどんどん広がって、興収10億円を優に超えて、両配給会社の歴代最高の興行収入38.1億円というメガヒットを記録したのです!
その流れがあったので、私は「片思い世界」の試写を期待値を上げた状態で見に行った面がありました。
ただ、この2作品は作風も題材も全く異なるので、やはりノーマルな状態で見るのが望ましいでしょう。


今回の「片思い世界」は、タイトルに思わぬ大きなヒントのある作品となっています。
そして、「物理的な要素が物語の中核を構築している」という独特な作風があります。
これは、坂元裕二が同様に脚本を担当した「ファーストキス 1ST KISS」でもそうでした。
ただ、「ファーストキス 1ST KISS」ではタイムトラベルという物理現象が物語で重要な設定となっていましたが、作品の面白さは、その物理的な設定を超えて、恋愛映画としての会話劇にありました。
その一方で本作は、物理現象の設定の比重が大きく、その世界観にどれだけ馴染めるのかで作品の評価が分かれる面があるように思えます。
個人的には、実写で表現するよりもアニメーションで表現する方が良かったのかもしれないと感じたりもしましたが、果たしてどのような口コミが広がることになるのか興味深いです。


前作の「花束みたいな恋をした」では、TBSの制作部門のTBSスパークルが幹事会社になっていましたが、本体のTBSテレビは製作委員会には入っていませんでした。
それが本作では、前作に引き続きテレビ東京に加えて、TBSテレビも製作委員会に入っていて、キー局が複数入っている非常に珍しい作品でもあるのです!
興行収入は、前作の流れがあるとは言え、出演者も含めて全く別の作品なので10億円に到達できれば大ヒットと言えると思います。
ダブルのキー局の宣伝攻勢もあって、興行収入はどのような結果となるのか――大いに注目したいと思います。
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