フェイクニュースで国民を操ったプロパガンダの天才 「ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男」予告
2025年2月20日 15:00

“フェイクニュースの祖”ともいわれ、ヒトラーの腹心で、プロパガンダを主導する宣伝大臣として国民を煽動したヨーゼフ・ゲッベルスの半生を描いたドイツ映画「ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男」の日本版予告編と場面写真がお披露目された。
本作の題材となっているのは、1933年のヒトラー首相就任から、45年にヒトラーが亡くなるまでの間、プロパガンダを主導する宣伝大臣を務めたゲッベルス。当初は平和を強調していたが、ユダヤ人の一掃と侵略戦争へと突き進むヒトラーから激しく批判され、彼は信頼を失う。

愛人との関係も断ち切られ、自身の地位を回復させるため、ヒトラーが望む反ユダヤ映画の製作、大衆を扇動する演説、綿密に計画された戦勝パレードを次々と企画したゲッベルスは、国民の熱狂とヒトラーからの信頼を再び勝ちとる。独ソ戦でヒトラーの戦争は本格化し、ユダヤ人の大量虐殺はピークに達する。そしてスターリングラード敗戦後、ゲッベルスは国民の戦争参加をあおる“総力戦演説”を行う。状況がますます絶望的になっていくなか、ゲッベルスはヒトラーとともに“第三帝国”(理想的な人間社会を指す言葉)のイメージを後世に残す、最も過激なプロパガンダを仕掛ける。

予告編は、「ドイツ国民よ立ち上がれ」と力強く発し、演説を練習するゲッベルスの姿から始まり、ドキュメント映像が重なる。ゲッベルスは、ヒトラーが“魔術師”と称賛するほどに宣伝(プロパガンダ)に長け、ヒトラーを英雄に仕立て上げるために、あらゆる手法で国民を扇動。「宣伝は絵画のようなアートだ」と自負する彼は、ヒトラーの凱旋を演出し、ニュース映像には見せたいものだけを見せる編集を施し、映画ではリーフェンシュタール監督を広告塔にして、作品のなかにメッセージを隠すことで、国民を巧みに操ろうとする。
ソ連への侵攻が始まり、政権がユダヤ人撲滅へと舵を切ると、ヒトラーは「民主国家では宣伝次第でバカでも権力が持てる」といい、宣伝の役割はさらに重要性を増していく。「なぜ弱小政党ナチが政権を得たのか」「なぜドイツ国民は戦争と大量虐殺に加担したのか」というテロップが提示され、最後は「真実は私が決める」という恐ろしい言葉が浮かび上がっている。

場面写真には、ヒトラーと親しげに言葉を交わし、笑顔を浮かべるゲッベルスを活写。ヒトラーのパレードで、国民が熱狂するさまも切り取られている。
本作は、2024年のミュンヘン映画祭で観客賞を受賞。「ある一生」「パリよ、永遠に」のロベルト・シュタットローバーがゲッベルスを演じた。
「ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男」は、4月11日から東京のヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国で公開。
(C)2023 Zeitsprung Pictures GmbH
フォトギャラリー
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース





