キンタロー。がヘレン・ミレンになりきり登場 「ホワイトバード」は「マインドを変えてくれる映画」
2024年11月27日 10:00
世界的大ヒット作「ワンダー 君は太陽」から生まれた、もうひとつの物語「ホワイトバード はじまりのワンダー」の公開記念トークイベントが11月26日、都内で行われ、お笑い芸人のキンタロー。、原作翻訳者の中井はるのが登壇。キンタロー。は本作で主演を務めるヘレン・ミレンに扮した姿を披露した。
本作は、かつていじめっ子だったジュリアンが、祖母のサラが封印してきた戦争中のできごとを聞くことによって、本当のやさしさの意味を知っていく物語。
流ちょうな英語の中に、ところどころで日本語を織り交ぜながら「皆さんこんにちは。私は英国の女優ヘレン・ミレンです。今日は集まってくださってありがとうございます」と挨拶したキンタロー。語学が堪能なのは「関西外国語大学の短大の方を卒業したから」とのことで、「サラという役を演じることができて、本当にいい経験になりました。そして子どもたちの演技もすばらしかった」と、ミレンになりきって語った。
その後、キンタロー。に戻って中井とトークを開始。映画の感想について「何の先入観もなく映画を観させていただいたんですが、こんなに泣くとは思わなかった。最後は目がパンパンになってしまって考えさせられましたね。人間が窮地に陥った時にどう振る舞うか。わたしも自分の身を振り返ってみて、自分にもできるだろうかと思いましたし、ちょっとだけラブストーリーも入っていましたし、大満足な1本でした」と話す。
劇中でも描かれる“やさしさの意味”について、キンタロー。は「劇中でも言っていますが、やさしさは勇気。親切も勇気。ただやさしいだけでは駄目で、時には、その人のために注意をすること、叱ることもやさしさだと思うんです。私も二児の母として学んだことですが、全部のことをいいよ、いいよと、いい顔をし続けることがやさしさではない。やさしさはいろんなケースがあって。簡単には言い表せないものではありますが、そこには愛があると思います」とかみ締めるように語った。
そんなキンタロー。が印象に残っているセリフは、「現実は現実だけど、空想は無限大」というもの。「私も空想癖があるので、それでいいんだ、自由だと思ったことはうれしかった。そして最後の方に出てきたセリフには本当にボロボロと泣かされてしまいました。どんなに命の危険が迫ったとしても、それでも親切にできるというのは奇跡なんだと。それは勉強になりました」としみじみ。
最後に、中井が「ネタバレになるので今日はお話できないですが、最後のおばあちゃんのスピーチが素敵なんです。そこに集約されていくんですが、命がけで人に愛を伝えていく、彼女の気持ちを見ていただきたいし、本も読んでください。本は本で楽しみ方が違うと思います」とメッセージ。キンタロー。も「サラとジュリアンの関係性、そして人間描写もすばらしいですし、それのみならず時代背景も、今の時代にリンクする。人間のひとりの思い込みによってたくさんの人が巻き込まれて、傷つく時代。それを俯瞰で見て、やさしさについて、親切にすることについて、いま一度立ち返って、考えていただきたくて。そうするとまた違う未来が生まれるかなと思います。本当にいろんなものが凝縮した、自分のマインドを変えてくれる映画なので、ぜひ見ていただきたいですね」と呼び掛けていた。
「ホワイトバード はじまりのワンダー」は12月6日から全国公開。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
【推しの子】 The Final Act NEW
【知ってるけど、ハマってない人へ】今が新規参入の絶好機!この作品で物語の最後まで一気に観よ!
提供:東映
モアナと伝説の海2 NEW
【私&僕が「モアナ」を選ぶ理由】音楽も物語も大好きな傑作の“超進化最新作”絶対観るでしょ!
提供:ディズニー
テリファー 聖夜の悪夢 NEW
【全米が吐いた】鑑賞し失神する人が続出、なのにNo.1ヒット…そんなことある!? 魅力を徹底解剖
提供:プルーク、エクストリームフィルム
アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師
【ナメてた公務員が“10億円詐欺”を仕掛けてきました】激推ししたい“華麗どんでん返し”映画
提供:ナカチカピクチャーズ
衝撃のサスペンス
【犯罪が起きない町で、殺人事件が起きた】中島健人が超大作で“主軸”の活躍。必見作。
提供:hulu
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
文豪・田山花袋が明治40年に発表した代表作で、日本の私小説の出発点とも言われる「蒲団」を原案に描いた人間ドラマ。物語の舞台を明治から現代の令和に、主人公を小説家から脚本家に置き換えて映画化した。 仕事への情熱を失い、妻のまどかとの関係も冷え切っていた脚本家の竹中時雄は、彼の作品のファンで脚本家を目指しているという若い女性・横山芳美に弟子入りを懇願され、彼女と師弟関係を結ぶ。一緒に仕事をするうちに芳美に物書きとしてのセンスを認め、同時に彼女に対して恋愛感情を抱くようになる時雄。芳美とともにいることで自身も納得する文章が書けるようになり、公私ともに充実していくが、芳美の恋人が上京してくるという話を聞き、嫉妬心と焦燥感に駆られる。 監督は「テイクオーバーゾーン」の山嵜晋平、脚本は「戦争と一人の女」「花腐し」などで共同脚本を手がけた中野太。主人公の時雄役を斉藤陽一郎が務め、芳子役は「ベイビーわるきゅーれ」の秋谷百音、まどか役は片岡礼子がそれぞれ演じた。