TOHOシネマズ轟音シアター&Spotifyコラボ上映 Naoki、森崎ウィンが語る、轟音シアターの魅力とは?
2024年8月30日 13:00
TOHOシネマズ“轟音シアター”と世界最大級のオーディオストリーミングサービス“Spotify”がコラボレーションし、【名曲映画を、浴びつくそう。】をテーマにした「Spotify|轟音 特別上映会」の初回が、8月29日に開催された。
TOHOシネマズ池袋では、特別上映会トークイベントが行われ、轟音シアターの音響調整の監修者でもあるNAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)と、音楽活動も行う俳優の森崎ウィンが、映画館の音について語り合った。
今年8月~12月の毎月1回開催され、Spotifyでは映画のサウンドトラックやSpotifyオリジナルプレイリストを聴いて映画の予習・復習を、轟音シアターでは名曲映画×轟音サウンド体験を楽しめる企画だ。この日の「ONE PIECE FILM RED」の上映を前に、司会を務めた「ぴあ」の中谷祐介氏が、轟音シアターの特徴である低音を出すパワーを重視した、アイソバリック方式のサブウーファーについて説明した。
そして、Naokiが、映画館内で目に見えるサブウーファーの他に「スクリーンの裏にもスピーカーがあるんです。レフト(左)、センター、ライト(右)とあって、ちゃんと、映画の登場人物の口の位置くらいにスピーカーが設置されています」 と、映画館前方に設置されたメインスピーカーの機能を紹介し、「音は光と違ってすごく遅いんです。花火をイメージしていただきたいのですが、スピーカーがたくさんあると、音は遅れていきます。例えば、34センチ、スピーカーの位置がずれると、遠くにあるスピーカーは、それだけで1000分の1秒ずれるんです」と、複数のスピーカーが設置されている映画館で起こりうる反応例を挙げる。
「ちゃんとした音と、もう1個、1000分の1秒ずれたスピーカーが一緒になると、セリフがダブっているかわかるギリギリぐらいなんです。それを全部揃えていく。それをもっと細かく、劇場では確か1000万分の1秒ぐらいに合わせている」と、映画館ごとにスピーカーと客席との距離を計算し、それぞれの作品によって音の調整をしていくそう。
「例えば、アクションシーンのある映画で、例えば静かな日に『パ!』って音が鳴った時に、スピーカーの距離の計算が合っていると、皆さんのところ(座席)でピタっと音が鳴って止まります。これがちょっとずれると『ブオン!』のようになる。TOHOシネマズの轟音シアターとプレミアムシアターではそこをしっかり合わせて、距離だけでは測りきれない細かい部分は耳で合わせます。なので、一般的な映画館よりもスッキリ聞ける」とアピール。
低重音用のウーファー利用は、全シーンに常に使用されているのではなく、例えばゴジラの足音など、効果的に要所要所で監督の意図によって指定され、セリフの邪魔にはならない工夫がされているそう。「クリストファー・ノーラン監督なんかは、サブスピーカーに頼らず、平気で(スクリーン裏の)左右に重低音を突っ込んで、バーンって音を出す、だからよく田舎の映画館が壊れるなんて話がありますよね」と逸話を紹介した。
Naokiは上映作品のシーンのほか、マイケル・ジャクソンの「スリラー」と「ビリー・ジーン」を用いて調整を行うそうで、「真ん中のスピーカーだけオンにしたりオフにしたりして、その時に『ビリー・ジーン』のイントロを鳴らした時に、明らかにスピーカーの音が足されたように聞こえたってことは、ちょっと早いような気がするから、1000分の1万分の2秒遅らせる、そんな調整をしています」と話すと、「0.1単位とか、細かい数字が出てきますが、結局は人間が聞かないとわからないってことですね」と中谷。
Naokiは「1000分の1秒ぐらいまでは、距離を計測できる。1万分の1秒になると3.4センチの距離の差が出て、10万分の1秒になると3.4ミリ……と。0.34ミリ、0.034ミリぐらいまではいつもわかります。これ、0.034ミリぐらいのスピーカーの距離の違いを音の再生速度で補正することをやっています」と音に敏感な人間でしかできない繊細な作業が行われていることを強調した。
ややマニアックともいえる、映画館の音調整のイロハを知り、自身で音楽活動も行う森崎は、「超おもろいですね、見学したいです!」と興味津々。フェスやスタジアムライブなどでのスピーカーの距離と再生速度についてなどさらに専門的な質問も投げかけていた。
TOHOシネマズのプレミアムシアターも轟音シアターでの鑑賞を何度も体験しているという中谷は、「光と音ってはさみで切れないもの。 つまり、1度出てしまったら減衰していくんです。強い波で出て、だんだん波が消えていって壁に当たるわけですけど。轟音シアターってこんなに迫力ある音が出るのに、その音のキレがむちゃくちゃ早いんです。次のセリフを邪魔しないキレの良さ」と評する。
Naokiは、その音の波について、大きなコンサート会場などで場所によって聞こえづらさがある理由や、音の位相、イヤホンで用いられるノイズキャンセリングの仕組みを解説する。中谷は、このシアターでは「ほぼ全部が特等席だと思ってください。音が真ん中だったらいいとか隅っこだったらいいみたいなことはこのスクリーンに関してはない。どこでもめっちゃいい音で聞けます。超美轟音です」と太鼓判を押した。
さらに、spotifyとのコラボ特集ということで、上映された映画のプレイリストを活用する音楽と併せての楽しみ方を提案。今後のラインナップで注目している作品を問われ、Naokiは12月上映の「ラ・ラ・ランド」を挙げる。
「ゴジラみたいな使い方じゃないけれど、ずっとサブウーファーの重低音を使うようなミックスなんです。でも、アクションシーンはないので、音楽もセリフのあるシーンだろうと、何か例えば遠くでバスが走る音をちょっと出したりと、さりげないんです。なのでほかの映画館で聞くとウーファーが鳴った感覚がないくらい自然。だから、すでに見たことのある人は、ここで聞くとよりその重低音を感じられると思う」と聞きどころを紹介した。
森崎が期待する作品は11月上映の「セッション」で、「音楽の美しさを感じつつも、ドラムを叩いてるシーンなど轟音シアターではどうやって重低音が鳴るのか……あとは先生の怒鳴り声(笑)」「演者の息遣いまで良いスピーカーで聞きたい」と気になるポイントを語った。
Naokiは、整えられた音環境で鑑賞するとより作り手の意図がわかる、自宅のテレビ再生でのボリュームでは表現しきれない音を、強弱で体験できることを強調し「絶対映画館で映画を見た方がいいです」と呼びかけていた。
9月26日(木)19:00~ 「竜とそばかすの姫」
10月24日(木)19:00~ 「BLUE GIANT」
11月28日(木)19:00~ 「セッション」(字幕版)
12月26日(木)19:00~ 「ラ・ラ・ランド」(字幕版)
TOHOシネマズ すすきの(北海道)、TOHOシネマズ 池袋(東京都)、TOHOシネマズ 上野(東京都)、TOHOシネマズ 立川立飛(東京都)、TOHOシネマズ なんば(大阪府)、TOHOシネマズ セブンパーク天美(大阪府)、TOHOシネマズ ららぽーと門真(大阪府) TOHOシネマズ ららぽーと福岡(福岡県)
※一部、追加料金が必要な座席あり。
※招待券・6ポイント鑑賞(シネマイレージ会員)は利用不可。
劇場窓口 → 各上映日の1週間前 金曜日・劇場オープン時~販売開始
※販売対象の全座席をPC・スマートフォンよりインターネットで購入可能。
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