新米パパのリウ・グァンティン、ひと足先に映画でパパ役 苦労したのは“息子を叩くシーン”
2024年6月13日 08:00
![リウ・グァンティン](https://eiga.k-img.com/images/buzz/110721/a994138facf53ae3/640.jpg)
ホウ・シャオシェンがプロデュースを務めた台湾・日本合作映画「オールド・フォックス 11歳の選択」に出演しているリウ・グァンティンのオフィシャルインタビューとメイキング画像が、このほど公開された。
バブル期の到来を迎えた台湾。11歳のリャオジエは、父と2人で台北郊外に暮らしている。自分たちの店と家を手に入れることを夢見る父子だったが、不動産価格が高騰。リャオジエは現実の厳しさと、世の不条理を知ることになる。そんなリャオジエに声をかけてきたのは、“腹黒いキツネ”と呼ばれる地主のシャだった。他人にやさしい父と違い、他人なんか見捨てろと言い捨てるシャ。果たしてリャオジエは、どちらの道を歩んでいくのか――。
昨年10月には引退を発表した台湾ニューシネマの旗手、ホウ・シャオシェン。そんなホウ・シャオシェン監督作品の助監督を務め、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐのが、本作のメガホンをとったシャオ・ヤーチュエン監督だ。これまでのシャオ・ヤーチュエン監督作全てのプロデュースをホウ・シャオシェンが務めており、本作が最後のプロデュース作となる。
![画像2](https://eiga.k-img.com/images/buzz/110721/1166249137aa2d17/640.jpg?1718164421)
リャオタイライ役のリウ・グァンティンは、1988年生まれの35歳。国立台湾芸術大学演劇学部を卒業後、代替役(徴兵に代わり兵役に充当させるための制度)を終えたあと、約3年間小中学校に体育教師として勤めた。その後、一度は諦めていた役者の道を志し、17年からNetflixで配信された「お花畑から来た少年」で第53回台湾エミー賞最優秀助演男優賞、「ひとつの太陽」(19/Netflix)で、第56回台北金馬映画祭最優秀助演男優賞、「Treat or Trick」(21/シュー・フーシャン監督作)で、第58回台北金馬映画祭と第23回台北映画祭の最優秀助演男優賞を受賞している。
![画像3](https://eiga.k-img.com/images/buzz/110721/bde59758c8ede48b/640.jpg?1718164437)
シャオ・ヤーチュエンによる脚本について「高鉄(台湾の新幹線)に乗っていた時に読みました。その車内で、ちょうど似たような年齢の父子を見かけて、この物語が胸に迫ってきたことをよく覚えています。とても良い作品だと感じたので出演を迷うことはなかったです」と絶賛。また、役柄については、このように語っている。
「私が演じたタイライのような人は昔はたくさんいたと思いますが、今あんなふうには生きていけないだろうという気がします。今は他人よりも自分優先になってしまうことが多いと感じます。皆が株で儲けているときも、タイライは関係なくのんびりマイペースに生きています。彼は、息子と楽しく生きていきたいということを第一に考えていた人です。父親役を演じるにあたって、自分の父のことを考えました。僕の父も彼のように人を思いやる人です」
台湾人の“他人を思いやる心優しき国民性”――本作のタイライという役柄は、もともとシャオ・ヤーチュエン監督の母親をモデルとしている。そして、本作の台湾人スタッフの面々も、それぞれの親を思い浮かべながら本作を制作していたようだ。
![画像4](https://eiga.k-img.com/images/buzz/110721/656f1025f3f65f42/640.jpg?1718164437)
また、タイライは倹約生活をするために、リャオジエの洋服を自分で作ったり、夢である理髪店を開くために散髪の練習も独学という徹底ぶりだ。
「僕たちが生きている現代とは全く違う時代の人なので、彼に近づけるよう哲学や内面の嗜好について書かれた本を読みました。大変だったのはミシンです。器用ではないので、足踏みミシンには苦労しました。あとはサックスも半年ほど練習しましたね。他には、当時のことを知るために、昔の時代を背景にした映画をいくつか観ました。そして、撮影に入る前に監督と彼の背景について色々話をしたことに助けられました」
![画像5](https://eiga.k-img.com/images/buzz/110721/14fc9fec4d9b6e23/640.jpg?1718164438)
プライベートでは子どもが生まれたばかりの新米パパでもあるリウ・グァンティン。ひと足先に父親役を演じた本作では、息子を叩くシーンに苦労したという。
「息子を叩くシーンが難しくて印象に残っています。彼にとってあれば初めて子どもを叩いた時だったんです。叩いた後に追いかけるか追いかけないのか、その辺をすごく悩みました。息子と社長(オールド・フォックス)が話す一連のシーンが好きです。息子が家のために必死になる姿に胸が痛みましたね」
![画像6](https://eiga.k-img.com/images/buzz/110721/ae67bf883b3cb8b2/640.jpg?1718164449)
リャオジエ役は「Mr.Long ミスター・ロン」などでも知られる天才子役バイ・ルンイン。また、リャオジエに影響を与える“腹黒いキツネ”(オールド・フォックス)と呼ばれる地主のシャ役は、台湾の名脇役アキオ・チェン。シャの秘書役に「怪怪怪怪物!」のユージェニー・リウ。そして、門脇麦が経済的には恵まれているが、空虚な日々を生きる人妻ヤンジュンメイを演じ、初の台湾映画出演を果たしている。
「オールド・フォックス 11歳の選択」は、6月14日から新宿武蔵野館ほか全国公開。なお、バイ・ルンインの来日が急遽決定しており、新宿武蔵野館にて、6月15日午前10時の回上映終了後、舞台挨拶&パンフレットサイン会を実施する。詳細は、公式HPで確認できる。
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