世界的ベストセラー「三体」をどうやって実写化したのか? Netflixドラマ版の製作陣が秘話を明かす
2024年3月20日 09:00
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世界的ベストセラーSF小説をNetflixで実写ドラマ化する「三体」が、3月21日より世界独占配信される。
原作は“SF界のノーベル文学賞”と言われるヒューゴー賞をアジア圏の作品として初めて受賞した、中国の作家・劉慈欣氏による世界的ベストセラー小説。Netflix版では、1960年代の中国、ある若い女性が下した重大な決断が時空を越えて現代に影響を及ぼすことに。自然の法則では説明のつかない不可解な現象を目の当たりにした有能な科学者たちが、この事態に果敢に立ち向かう捜査官と手を組み、人類史上最大の脅威に挑む……といった内容が描かれていく。
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同作を世に放つのは、大ヒットドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のデビッド・ベニオフとD・B・ワイス、ドラマ「ザ・テラー」「トゥルーブラッド」などで知られるアレクサンダー・ウー。映画.comでは、3名のオンラインインタビューを実施。取材後には「この作品が、日本の皆さんに愛されますように。そして、私たちは日本が大好きなので、どんな口実を使ってでもいつか日本に伺いたいと思っています(笑)」と語ってくれた製作陣による“秘話”を紹介しよう。
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原作は、バラク・オバマ元大統領も素晴らしい本だと絶賛していて、アメリカの大統領が本を宣伝することは珍しいことなので関心を持っていました。その後、原作を買って読んだのですが、私とD・B・ワイスは10分くらいの差で3冊目を読み終えました。当時、D・B・ワイスは長男を連れて、私は長女を連れて日本に行っていたのですが、大阪からロサンゼルスまでのフライトの中で、原作を読み終えてどうだったかという話になり、「これは絶対に実写化しなければならない!」と2人の意見が一致しました。
なぜかというと、野心的なストーリーテリングでありながら、壮大な世界観が構築されているところに惹かれたからです。壮大な物語であり、色んなことが多岐にわたって展開されながらも、結末がとても素晴らしくて魅了されました。ただ、自分たちで手掛けることは可能なのかと恐怖心も芽生えました。ドラマシリーズにすることは恐怖でありながらも、そこからまた鼓舞され、インスピレーションを受けました。5年近くかかりましたが、このように皆様にご紹介できることは非常にワクワクしています。
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これまで仕事を共にしてきた方たちとも再び一緒に仕事をすることができましたし、プロデューサーのバーナデット・コールフィールドが全てまとめてくれて、誰が今どこにいるかを全て把握してチームを動かしてくれました。
新たな困難としては、1960年代から70年代の中国や現代のイギリスが舞台となっていたり、バーチャル世界、宇宙空間が登場したり…と、「ゲーム・オブ・スローンズ」とはまた違う世界観とストーリーラインを手掛けなければいけないというところでした。もちろん同じ世界ではないので、前回で経験できなかったことを手掛けることには苦労しましたが、今回、この「三体」という作品で手掛けることができて嬉しかったです。
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ですが、全体の制作チームの仕事としては、劉慈欣氏が創造したものを、ビジュアルの部分において、自分たちで創造していかなければならない、という大きなチャレンジや困難がありました。劉慈欣氏が作り出した世界に存在していたものを、そして物語に沿うものを作らなければならない。
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ストーリー面で言うと、TVドラマというフォーマットは小説とは大きく異なります。小説の場合は自分のペースで読み進めることができます。TVドラマというフォーマットであれば、1話からその次へと、流れていくような形で展開していかなくてはならない。そうしますと、ストーリーテリングの面で小説とは異なる形を取らなくてはならないんです。そのため、我々はシーズン1で、原作の2、3冊目に登場しているキャラクターたちも登場させたりしています。視聴者の方々とそのキャラクターたちの関係性をうまく築き上げるために、このような工夫をしています。
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もちろんストーリーの部分も重要です。また、それぞれが監督した全てのシーンが上手くいっているかを裁量で決めていくというところもあります。VFXを使ったシーンも多く、そこが上手くいかないと全てが台無しになる可能性をはらんでいるので、集中してこだわるようにしました。
そして、ストーリーが上手くいかないと全てがダメになってしまいます。今回、重要で大切なことのひとつは、原作の劉慈欣氏の物語をドラマシリーズ化するというところです。世界中がこの本を愛してやまない。どのようにしてこの作品を実写化するのかと問われることがあったのですが、まさに1番大切なことは、その元にある劉慈欣氏の小説ではないかと思います。
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原作の場合は、多くのキャラクターが中国の方ですが、今回は世界中からキャストを集めています。ベネディクト・ウォンとは前々から一緒に仕事がしてみたいと思っていましたし、今回の彼の役は、彼にとってパーフェクトなのではないかと思います。実際に、我々が彼を起用した選択が正しかったと思ってもらえるような素晴らしい作品になっていると思います。
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その他に、「ゲーム・オブ・スローンズ」からはジョン・ブラッドリーが参加しました。彼は、とても愉快で面白い人物です。今回の作品では、彼の実際の性格に沿ったような形で現れています。また、「ゲーム・オブ・スローンズ」とはまた少し違った形の面白さも出してくれました。
他のキャストの方々も、キャスティングには非常に長く色々な過程を経てきました。本来であれば候補者の方々と対面でお会いしたかったのですが、コロナ禍中ということもあり難しく、人によっては、最終段階付近、もしくはロンドンの撮影に入る間際にやっと初めて実際にお会いできたような方々もいました。ジーン・ツェンやエイザ・ゴンザレス、アレックス・シャープといった素晴らしい役者さんたちに参加してもらえて、本当に素晴らしいチームになれたと思います。
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