フランスは好きですか?と問う パリ郊外“排除”のリアル、“怒り”の衝突を描く「バティモン5 望まれざる者」予告&ポスター
2024年3月13日 12:00

第72回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作「レ・ミゼラブル」で注目を集めた、フランスの気鋭監督ラジ・リが“排除”と“怒り”の衝突を描いた最新作「バティモン5 望まれざる者」のポスター画像、予告編が披露された。
パリ郊外(=バンリュー)。ここに立ち並ぶいくつもの団地には労働者階級の移民家族たちが多く暮らしているが、このエリアの一画=バティモン5では再開発のために老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められている。そんな中、前任者の急逝で臨時市長となったピエールは、自身の信念のもと、バティモン5の復興と治安を改善する政策の強行を決意。だがその横暴なやり方に住民たちは猛反発、やがて、これまで移民たちに寄り添い、ケアスタッフとして長年働いていたアビーたちを中心とした住民側と、市長を中心とした行政側が、ある事件をきっかけについに衝突!やがて激しい抗争へと発展していく――。
前作「レ・ミゼラブル」では、自身が生まれ育ったパリ郊外の犯罪多発地区モンフェルメイユを舞台に、そのエリアを取り締まる犯罪防止班(BAC)と少年たちの対立を、手に汗握る圧倒的な臨場感で描き出したラジ・リ監督。今作「バティモン5 望まれざる者」は、「レ・ミゼラブル」製作スタッフが再集結し、移民たちの居住団地群の一画=バティモン5の一掃を目論む「行政」とそれに反発する「住人」による“排除”と“怒り”の衝突を描く。恐れと不満の積み重ねが徐々に両者間の溝を深くし、憎しみのボルテージが加速していく様が息もつかせぬ緊迫感で展開し、このコミュニティ内にある「権力」「革新」「暴力」の3つの視点を交錯させることでバンリュー地区の実態、ひいては花の都パリの知られざる“暗部”を炙り出していく。
予告は、臨時市長が、再開発を言い訳に多くの移民たちが暮らす犯罪多発地区を強制的に一掃しようとする。<法の執行>の名の下、あらゆる手段で全てを思い通りに動かそうとする行政と、住む場所を失った住民たちの徹底抗戦の一部が切り取られている。「全てを失う苦しみを知れ!」住民たちの怒りと行政が衝突することになる。「フランスは好きですか?」このシンプルな問いかけが、権力、革新、暴力があらゆる不都合な真実を炙り出していく映像だ。
ポスターは、バンリューの古いアパートが爆破解体される瞬間を切り取ったもの。市長ら行政関係者と多くの住人、野次馬が見守る中爆炎を上げながら一瞬で崩れ落ちていく様子からは、人と権力の身勝手を感じさせる。
今作は「横浜フランス映画祭2024」(3月20日~24日)での上映が決定し、ラジ・リ監督の来日も予定されている。5月24日から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町で公開。
(C)SRAB FILMS - LYLY FILMS - FRANCE 2 CINEMA - PANACHE PRODUCTIONS - LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE – 2023
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