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【アカデミー賞受賞】宮﨑駿監督は引退会見を反省し「もう世間には出ない」 鈴木敏夫が喜びの声「オスカー像は3個注文」

2024年3月11日 12:00

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鈴木敏夫
鈴木敏夫

現地時間3月10日に開催された第96回アカデミー賞(2024)授賞式で、宮﨑駿監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞を受賞したことを受けて、3月11日に東京・東小金井のスタジオジブリで鈴木敏夫プロデューサーが記者会見を行い、現在の心境を語った。

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君たちはどう生きるか」は、宮﨑監督の10年ぶりとなる最新作。宮﨑監督の記憶に残るかつての日本を舞台に、自らの少年時代を重ねた自伝的要素を含む冒険活劇ファンタジーで、母親を火事で失った少年・眞人(まひと)が、青サギに導かれて生と死が渾然一体となった世界を旅する姿が描かれた。

日本では2023年7月に公開されたが、事前に一切のプロモーションが行われないまま公開されたことも話題となった。現在も上映中で、2024年3月3日時点で興行収入89.7億円を記録している。なおジブリ作品がアカデミー賞を受賞するのは第75回(2003)の「千と千尋の神隠し」以来2度目の快挙となる。この日の会見は鈴木プロデューサーたっての希望により、スタジオジブリ内にて行われることとなった。

受賞の瞬間、宮﨑監督は自身のアトリエに、そして鈴木プロデューサーは別室にいたとのこと。その直後のやり取りは電話で行ったというが、鈴木プロデューサーの会見直前に直接対面し、喜びを分かち合ったという。

報道陣の前にやってきた鈴木プロデューサーは、「オスカー像って1個はもらえるじゃないですか。そしてお金を出せば別につくってくれるんですよ。だからさっき3個注文しておきました」と明かして会場を沸かすと、「宮﨑とは最後の最後まで、日本男児としてうれしい顔を見せてはいけない、と言いながらも笑みがこぼれていて。受賞したということに関しては本当に心の底から喜んでいましたね」と明かした。ちなみに3個のオスカー像は、宮﨑監督用にひとつ、鈴木プロデューサー用にひとつ、そして回覧用にもうひとつ、という用途にしたいとのことだ。

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なお、本作がアメリカで受け入れられたことについて、「僕も日本よりもアメリカの方が受け入れられやすかったと思う。ある種、旧約聖書なんですよ、映画の公開中は言わないようにしてけど、内容が旧約聖書の最後の方の話で、宮﨑なりの黙示録なんです。それがアメリカの人には受け入れやすかったんじゃないかと思います」と分析した。

せっかくの受賞ということで、宮﨑監督のコメントを聞きたいところだが、そこは2013年の引退会見が引っかかっているという。「宮﨑は、二度と作らないと大記者会見をやったことを反省しているんです。だから今回も最初の言葉は『みっともないのは分かってる。本当にみっともないけどもう1本作りたい』。そして彼が言ったのは『もう世間には出ません』と。一生懸命説明しても、結果的にうそになる。そんな愚行を繰り返したくない。だからそれに関しては僕が引き受けています」とその思いを代弁した。

次回作に関しては未定だという。

「まだ映画の公開が続いていますし、海外でもアメリカで公開されてますが、アカデミー賞をきっかけにさらに増えるらしい。さらに中国も残っているということで、それが終わるまでは次にいくことが難しい。だからまずは抱えていることがからっぽになるまで。その上でもう1本つくりたいというなら取りかかると思います」と語る鈴木プロデューサー。

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現在、三鷹の森ジブリ美術館用のパノラマボックス(ボックスの中をのぞき込むとパノラマのような絵が見えるもの)のための絵を描き続けているとのことで、「映画が終わってから時間がたっているけど、今後、彼のつくったパノラマボックスがいろんなところから出てきます。この人ものすごい身体は元気なんですよ。たぶん死ぬ最後の日まで衰えないんじゃないかな。そして最後の一日で一気に歳をとるんじゃないか、そんな気がする毎日です」と笑った。

そして「本心を言うと、もう一度長編映画を撮るというのは簡単じゃない。今まで短編アニメをつくってきたので、そういう映画をやってほしい。本人にはそういうことを言っていますね」と付け加えた。

本作は上映前に宣伝をしないということが話題を集めたが、「今回の映画って、ジブリのためにずっと頑張ってくれた宮﨑のために、最後くらいそういうストレスから開放して、静かな興行をやるというのが理想でした。関係者にとってはありがた迷惑だと思いますが。映画を大宣伝をするような環境に置きたくなかった。結果として引っ込みがつかなくなって。まったく宣伝しないという状況になった」と笑う鈴木プロデューサー。

それゆえ製作費を回収するのは難しいのではないかと考えていたという。「ただでさえお金を使うのが得意な人ですから。赤字を生むと同時に、もう一個心配したのが、途中で死んでしまうのではないかということ。おかげさまで想像を超えてお客さまが来ていただいた。日本はさることながら、海外の興行もいいので、もしかしたら回収できちゃうかもしれないですね」と明かす。

さらに「宮﨑駿監督とはどんな人?」という質問には、「(出会ってから)46年なんですよね。いろんな人から怖い人と言われるけど、僕にとっては一緒にいて楽しい人ですね」と返答。さらに宮﨑監督がひげをそったことに関して、「実は僕が気分転換にそったらと言ったんです。ひげがあると立派そうに見えるじゃないですか。本人はひげをそった後はやたら鏡を気にするようになりましたね」と笑ってみせた。

君たちはどう生きるか」は現在公開中。

※記事初出時、見出しに誤解を招く表現がありました。お詫びして訂正いたします。

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