クリストファー・ノーラン監督、「映画ビジネスの現状は素晴らしい」
2023年12月25日 12:00
全米で今夏大ヒットした「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーラン監督が、映画ビジネスの現状について見解を述べた。
同作は、原爆の父と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材にした歴史ドラマ。上映時間3時間で、そのうち半分はモノクロ、しかもR指定。にもかかわらず、12月上旬における世界興収は9億5400万ドルに達し、今年全米公開されたスーパーヒーロー映画や「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」といった大作映画を上回る成績を残した。
英エンパイア誌のインタビューでノーラン監督は、「クレイジーなのは、この映画が文字通り、私がこれまで製作した中で最も成功した映画だということだ。私はこの仕事を20年続けているが、イギリスではこの映画が私の最高興行収入だ」と指摘した。
公開直後の週末に妻でプロデュースパートナーのエマ・ノーランと一緒にリンカーン・スクエアのIMAXに見学に行った際、まさに作品のクライマックスに立ち会った。
「劇場は超満員で、どの席も埋まっていた。静まり返った劇場でスクリーンの裏側に立ち、音が観客を洗い流していくのを目前にして……ピンが落ちる音が聞こえるほどの静寂だった。本当に驚くべき経験で圧倒された」
「だから私は、私自身の経験に基づいて、映画ビジネスの現状について素晴らしいと感じている。また、他の映画がブレイクし、観客が映画館に戻ってくるのを目の当たりにしている」とコメント。また「驚かされたい、何か新しいものを観たい、自分たちが望んでいるものとは知らなかったものを観たいという観客の欲求は、劇場映画において常に最も強力な力となっている。だから、今年それを見ることができたのは素晴らしかった」と、映画館での興行に手応えを感じているようだ。
「オッペンハイマー」は、日本でも2024年に全国公開予定。