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クリストファー・マコト・ヨギ監督ら、沖縄をルーツに持つ映画人が自作を語る 「Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル」トーク

2023年11月26日 08:00

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トークイベント「僕らは世界のウチナーンチュ・フィルムメイカー」
トークイベント「僕らは世界のウチナーンチュ・フィルムメイカー」

沖縄・那覇市をメインに開催中の新しい国際映画祭「Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル」で11月25日、トークイベント「僕らは世界のウチナーンチュ・フィルムメイカー」が那覇市のタイムスホールで行われ、クリストファー・マコト・ヨギ監督、ショウ・ヤマグシク監督作「先祖たちの拒絶」の音楽、編集を担当した神谷ジョセフ嘉益という沖縄をルーツに持つ2名が登壇した。

クリストファー・マコト・ヨギ
クリストファー・マコト・ヨギ

アメリカのインディペンデント映画界で注目を集めるヨギ監督は、「Cinema at Sea」ディレクター・イン・フォーカス部門で特集され、このほど日本初上映となった。ヨギ監督が沖縄を訪れるのは今回が初だそうで、「周りが海に囲まれた島の環境はハワイと似た印象。そしてロサンゼルスとはまた違った感覚があります」と来日の感想を語った。

現在ロサンゼルスの沖縄県人会で働いているという神谷は、まずは沖縄の言葉で挨拶と感謝の言葉を述べ、「沖縄を訪れたことがない時には、自分の作ったロマンティックなイメージがありましたが、実際に訪れたら想像よりもっと美しい場所でした。県費で1年留学し、出会った友人らとも良い関係を気づくことができ、とても感動しています」と述懐した。

神谷ジョセフ嘉益
神谷ジョセフ嘉益

同じく沖縄をルーツに持つヤマグシク監督の「先祖たちの拒絶」の製作経緯について「ショウ(・ヤマグシク監督)が詩を書き、写真を撮って、それを編集しました。とても古い映像が含まれていたので、手を加えるのではなく、そのまま活かすことにしたのです。ショウには明確なビジョンがありました。コロナ禍だったので、リモートでやり取りをし、それぞれの場所は離れていましたが、先祖たちの悲しみを共有したいという思いは共通していました」「私たちは日系4世で、曾祖父たちの経験について知識が少ないのです。歴史や文化、沖縄の言葉を学んでも学びつくせないので、新しい作品を作らざるを得なかったのです」と振り返る。

音楽については「三線、琉球王朝の文化でもある踊りも入れ込みたいと思っていました。新しい言語を生み出すプロセスにおいて、移民の物語を生み出す必要がありました。組踊から豊かな感情表現を引き出そうと思ったのです」とその意図を明かした。

「先祖たちの拒絶」
「先祖たちの拒絶」
(C)Joseph Yoshimasu Kamiya

「先祖たちの拒絶」を鑑賞したヨギ監督は「ほかの作品にはない強さを感じました。実験的な作品が好きで、それが反映されているのが素晴らしい。新しい言語が出現する場面に感動しました」とコメント。モデレーターを務めた、同映画祭理事、選考委員の上原輝樹氏は「『ゴダールの映画史』を想起させるようなモンタージュ作品」と評した。

ハワイ出身のヨギ監督の作品は長編と短編2作ずつが上映される。ヨギ監督の長編第1作「アキコと過ごした八月」を鑑賞した神谷氏は、「その芸術性に圧倒されました。私もウチナンチューとしてこの映画を見ることに大きな意義がありました。私と同じく沖縄のルーツを持つ人がこのような作品を作っていることが重要でした」と感想を述べた。

「誠」
「誠」
(C)Christopher Makoto Yogi

短編「誠」についてヨギ監督は「家族や親せきのインタビューを通して、口頭で伝えられる歴史にフォーカスした。このように聞き取りによって、亡くなった人についての映画を製作できるのです」。同じく短編「お化け」は、「亡くなる直前の父らと会話をする中で、インスピレーションが浮かびました。亡くなる直前の人間が、存在しない対象に向けて言葉を発する――恐ろしさも感じるようなことに焦点を与えることが美しいと思ったのです。ハワイにはお化けに関する言い伝えがたくさんあったので、それをモチーフにした作品を作るのが文化の継承だと思っていました」と説明する。

どの作品もヨギ監督の故郷であるハワイが舞台となっている。「幼少期の頃、アメリカの映画としてハワイの映画は見ていませんでした。間違った印象があると思ったのです。商業的に作られたハワイのイメージがハワイの顔になっていることに違和感がありました。それは、人工的で正しくないものという印象です。私が興味を持っていることは、真実をしっかり映し出すことで人工的なものとバランスを撮りたいのです」と自分の目で見つめたハワイを撮ることに意義があると強調する。

「アキコと過ごした八月」
「アキコと過ごした八月」
(C)Christopher Makoto Yogi

二つの長編作品「アキコと過ごした八月」と「シンプル・マン」の違いについて「新しい作品を作る際に気を付けるのは、いつもゼロからのスタートを心がけています。言語などどんな描写が正しいか、映像ごとに考えています。映画を作る過程は、作品そのもの影響を及ぼし、新しいものになっていると思います。常にシネマとは何か、どうあるべきかを考え、新作のたびにその結論をまた捨てて、新しいものを作っていきます」と自身の哲学を語った。

今後、沖縄で作品を作ってみたいか?と問われると「そのために、今沖縄で過ごしながら何に対して感動するのか、自分の目を開いているところです。何かを撮りたい気持ちになれば沖縄に戻ってきたい」と回答。また、ヨギ監督は腕に「無」というタトゥーを入れており、小津安二郎の墓に刻まれている言葉でもある。「私は小津監督を敬愛しており、お墓に無と刻まれていることが印象的だったので、タトゥーを入れました」と明かした。

「Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際フィルムフェスティバル」は、11月29日まで、那覇市ぶんかテンブス館テンブスホール等、那覇市内を中心とした会場で開催。チケット、プログラム詳細は公式サイト(https://www.cinema-at-sea.com/)で告知している。

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