吉高由里子主演「風よ あらしよ」劇場版、24年2月公開 100年前、自由を求め闘った伊藤野枝の生涯描く
2023年10月27日 13:00
吉高由里子が主演し、2022年にNHKBS4K・8Kで放送された特集ドラマ「風よ あらしよ」が劇場版として2024年2月9日から新宿ピカデリーほか全国で順次公開されることがわかった。今から100年前、筆一本の力で、結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てた伊藤野枝の生涯を描く。
関東大震災後の混乱のさなか、ひとりの女性が憲兵に虐殺された。「女は、家にあっては父に従い、嫁しては夫に従い、夫が死んだあとは子に従う」ことが正しく美しいとされた大正時代。男尊女卑の風潮が色濃い世の中に反旗を翻し、喝采した女性たちは社会に異を唱え始めた。福岡の片田舎で育った伊藤野枝(吉高)は、貧しい家を支えるための結婚を蹴って上京。平塚らいてうの「元始、女性は太陽であった」という言葉に感銘を受け手紙を送ったところ、青鞜社に入ることになる。青鞜社は当初、詩歌が中心の女流文学集団であったが、やがて野枝が中心になり婦人解放運動に発展していく。
吉高が野枝役で主演を務め、平塚らいてう役で松下奈緒が共演。野枝の文才を見出した第一の夫・辻潤役を稲垣吾郎、後に生涯のパートナーとなる無政府主義者・大杉栄役を永山瑛太が演じた。
原作は、吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説(集英社文庫刊)。脚本は、向田邦子賞を受賞した矢島弘一が手掛け、演出はNHK連続テレビ小説「花子とアン」のディレクターも務めた柳川強が担い、吉高と9年ぶりにタッグを組んだ。
吉高は、「私自身この作品中に、野枝さんのもどかしさや生きづらさが、役を通して痛いほど伝わり、その苦しさを感じる期間でもありました。彼女の現代に残した命懸けの叫びを再び見届けて頂けることに感謝します」とコメントを寄せた。
音楽は梶浦由記が担当。自身のソロプロジェクト「FictionJuncton」として劇場版のために新たに作曲したエンディングテーマ「風よ、吹け」(feat.vocal KOKIA)を新たに作曲した。
メインビジュアルには、野枝を演じる吉高の凛とした横顔が切り取られ、「野枝、生きます。」という力強いコピーが添えられている。
吉高と原作者の村山氏のコメント全文は以下の通り。
この作品が映画としてまた皆さんに届くことがとても感慨深いです。
私自身この作品中に、野枝さんのもどかしさや生きづらさが、役を通して痛いほど伝わり、その苦しさを感じる期間でもありました。彼女の現代に残した命懸けの叫びを再び見届けて頂けることに感謝します。
野枝がもし甦ったなら、怒りで叫びだすのではないでしょうか。
百年が経ち、また同じ過ちが繰り返されようとしている今だからこそ心に刻まなければいけない、真実の映画です。
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