【写真多数】館内にいちご色の街が広がる!「魔女の宅急便」角野栄子氏の世界観を表現する「魔法の文学館」11月3日開館
2023年10月17日 19:00
2018年に児童文学の「小さなノーベル賞」と言われる国際アンデルセン賞作家賞を受賞した角野氏が館長を務め、東京都江戸川区の「なぎさ公園」内に11月3日(金・祝)にオープンする。建築家・隈研吾氏が設計デザイン、アートディレクター・くぼしまりお氏が内装デザインを担当した。
同館はなぎさ公園の丘に位置し、純白の外壁、花びらが広がるようなデザインの「フラワールーフ」と名付けられた屋根が特徴で、館内から屋外のテラスや芝生に出て本を読むことができる導線となっている。
3階建ての館内には、「魔女の宅急便」の舞台となった「コリコの町」をイメージしたいちご色の世界が広がり、角野氏が選んだ児童書を中心に約1万冊がそろえられている。1階にはおうち型の絵本の棚があり、子どもたちの自主性を活かすべくあえてあまり分類せずに配架されているという。そして、「魔女の宅急便」のキキや黒猫のジジのほか、「おばけのアッチ」や「リンゴちゃん」といった代表作のキャラクターたちが動き出すプロジェクションマッピング、窓を開けると視覚トリックが楽しめる仕掛け、インタラクティブな4面映像シアター「黒猫シアター」、オリジナルグッズを販売するショップが設置されている。
2階には角野氏の仕事場を模したコーナー「栄子さんのアトリエ」があり、直筆原稿や絵具などの文房具、愛読書や旅先で集めた美しい小物が展示されている。隣には、角野氏や児童文学に関する企画展を、半年ごとに開催するギャラリーを併設。第1回となる企画展は、栄子さんが世界各地から集めた“魔女人形”コレクションを紹介する「魔女まじょ展」。2階にも本棚や机が並べられ、外での読書ができるテラスに出られる。
3階は、角野氏の作品に登場するスペシャルメニューなどを提供する「カフェ・キキ」。江戸川区で一番標高の高い丘の上に位置し、旧江戸川を一望する見晴らしの良い空間だ。コーヒーやメロンパンなどの菓子、軽食のほか、おばけのアッチの世界観をイメージした特製メニュー「キキライス」(1320円:税込)、「チとキのサンドイッチ」(1200円:税込)などがラインナップされている。
斎藤猛江戸川区長は 「一人でも多くの方に角野先生の世界観を感じていただきたい。角野先生の選んだ本を階段でも、芝生でも好きなところで読んでほしい。建物も多くの皆さんに見てほしい。江戸川区はもちろんですが、日本中の子どもたちにワクワクドキドキを感じてほしい」と期待を述べる。施設の総工費は18億円。入館者の目標は1日600人、年間10万人を目指すという。
角野氏は「今日私が魔法を使いまして、空と雲を取り払って、内覧会のために光いっぱいにしました。自分の年も顧みずワクワクしています。この文学館にかかわってくださった方たち、4年間働いてくださった方たちがずっと機嫌がよく、楽しそうで。そういう方たちの思いがつまった、楽しい場になっているとおもいます。みんなワクワクとして応援してほしい」と喜びを語る。また、同館の図書は、館外への貸し出しはせず「物語の面白いもの、館内で1冊読み切れるもの」を選んだという。「帰り道に読んだ本のことをいろいろ想像してほしい」とその意図を伝えた。
隈研吾氏は、「角野先生は、本当に街が好きで、アーバンデザインがわかってらっしゃる方。ヨーロッパには、路地などおもしろいアーバンデザインがたくさんあって、角野先生はそういうものが頭に入っている。この建物を言い表すと、“外はおうちのように小さく、中に入ると街のように大きい”。外から見ると、丘の上に小さなおうちが乗っていて、一つの街が建物に入っている。街が建物の中にあるという逆の発想。こういった建物は世界でも珍しい。世界中から角野先生の世界を体験していただけると思う」とコンセプトを説明するとともに、角野氏の自由な発想を称えていた。
【開館時間】 9:30~17:30 (最終入館 16:30)
【休 館 日】 火曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
【入 館 料】 一般(15歳以上):700円<500円> こども(4 歳~中学生):300 円<200円>
※「魔法の文学館」への入館は、日時指定の事前予約制が基本、公式サイト(https://kikismuseum.jp/)で予約を受け付けている。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。