ジュリエット・ビノシュが天才料理人に トラン・アン・ユンが描く人生と愛のグルメ映画「ポトフ 美食家と料理人」予告編
2023年10月13日 11:00
第76回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したトラン・アン・ユン監督、ジュリエット・ビノシュ主演作「ポトフ 美食家と料理人」の公開が12月15日に決定。日本版予告編とポスタービジュアルが披露された。
「青いパパイヤの香り」(93)、「シクロ」(95)など繊細な映像美で高く評価されてきたトラン・アン・ユン監督の7年ぶりの最新作は、料理への情熱で強く結ばれた美食家と料理人の愛と人生を味わう感動作。
〈食〉を追求し芸術にまで高めた美食家ドダンと、彼が閃いたメニューを完璧に再現する料理人ウージェニー。二人が生み出した極上の料理は人々を驚かせ、類まれなる才能への熱狂はヨーロッパ各国にまで広がっていた。ある時、ユーラシア皇太子から晩餐会に招待されたドダンは、豪華なだけで論理もテーマもない大量の料理にうんざりする。〈食〉の真髄を示すべく、最もシンプルな料理〈ポトフ〉で皇太子をもてなすとウージェニーに打ち明けるドダン。だが、そんな中、ウージェニーが倒れてしまう。ドダンは人生初の挑戦として、すべて自分の手で作る渾身の料理で、愛するウージェニーを元気づけようと決意する。
プロとして矜持を持って生きる天才料理人・ウージェニーに扮するのはフランスの名優ジュリエット・ビノシュ。ウージェニーへの切なく揺れる想いを抱える美食家ドダンには「ピアニスト」(01)のブノワ・マジメル。2人は20年ぶりの共演となる。
100年前のフランス“ベル・エポック時代”では、美食もまた芸術のひとつとして追求された。ユン監督は、調理過程を1台のカメラで撮影。劇伴を使うことなく、調理音を音響効果とし、自然光をメインの照明とするなど、ひとつひとつの素材が“究極のひと皿”へと進化を遂げる様を映し出す。スクリーンを埋め尽くす料理の数々はミシュラン三つ星シェフのピエール・ガニェールが完全監修。その前衛的かつ独創性と芸術性に満ちた料理から「厨房のピカソ」と称えられる。映像になった時の見栄えを確認するため撮影前に登場するすべての料理を試作した。さらにガニェール本人が劇中にシェフ役として登場している。
予告編は、19世紀末フランスの片田舎のシャトーで暮らす美食家と天才料理人の日々の豊かな食生活が映し出される。明け方、ウージェニーが畑で野菜を収穫するシーンから始まり、鳥のさえずりや風の音と共に、野菜を刻む音、肉が焼ける音や炒める音など、リズミカルな厨房の音で溢れかえる様子をカメラが捉える。当時の厨房の道具やドレスも美しい。天才料理人ウージェニーとドダンの関係性は20年間変わらなかった。ドダンの数度のプロポーズにもウージェニーはキスで答えるだけ。しかし二人の絆は結ばれていることがわかる。家庭料理で皇太子を魅了できるか挑戦する二人が挑む<究極のポトフ>の仕上がりに期待が高まる映像だ。
12月15日からBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
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