藤竜也、第71回サン・セバスティアン国際映画祭で日本人初の最優秀俳優賞 近浦啓監督作「大いなる不在」アテネオ・ギプスコアノ賞も受賞
2023年10月2日 15:00

森山未來主演・近浦啓監督作品「大いなる不在」(英題:GREAT ABSENCE)に出演する藤竜也が、第71回のサン・セバスティアン国際映画祭オフィシャル・コンペティション部門で最優秀俳優賞に輝いた。同作は映画祭外郭団体によるアテネオ・ギプスコアノ賞も受賞した。
藤が受賞したオフィシャル・コンペティション部門シルバー・シェル賞(最優秀俳優賞)は、長年、演技の賞として最優秀男優賞と最優秀女優賞の二つの賞が設けられていたが、2021年からは性別で賞を分けることを廃止し、一つの「最優秀俳優賞」となった。日本人の俳優が最優秀俳優賞(最優秀男優賞)を受賞するのは、同映画祭の71年の歴史の中で初となる。「アテネオ・ギプスコアノ賞」は、150年の歴史を持つサン・セバスチャンの文化財団「アテネオ・ギプスコアノ」が独自の視点で、最も卓越した作品に与えられる賞で、上映部門を問わず全ての作品から1作品が選出・授与される。
(c) SSIFF - Photo Ulises Gutierrezオフィシャル・セレクションには、日本からは同作のほか、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」(英題: The Boy and the Heron)の二作品が選出されていた。「大いなる不在」は、日本時間9月29日に、ヨーロッパプレミア上映が行われた。1800人もの観客を収容する映画祭最大級の会場では、上映終了後5分に及ぶスタンディングオベーションが贈られた。
審査員の一人、中国人女優ファン・ビンビンにトロフィーを渡された藤竜也は、「作品上映後に、劇場の明かりがついた瞬間に、私たちは思いがけない光景を目にしました。心に沁みるとても長いスタンディングオベーションでした。そして、私たちがこの劇場から退出するために長い廊下を歩いて行くと、また両側にサン・セバスティアンの観客の皆さんが、温かい拍手と、たくさんの優しい眼差し、たくさんの美しい笑顔を下さいました。映画よ、ありがとう」と、日本語、スペイン語、バスク語でも感謝を述べ、続いて、監督、スタッフ、共演者らの名前を読み上げて「ありがとう」と繰り返し、最後に、映画の主催者・関係者、観客にも感謝を表し、会場からの大きな拍手に包まれた。
「大いなる不在」は、2024年の日本公開を予定。
(c) SSIFF - Photo Alex Abril関連ニュース
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