岩井俊二監督、カルト的人気を誇る「夏至物語」を自らリメイク　アイナ・ジ・エンドが主演

(C)2023 Kyrie Film Band

岩井俊二監督作「キリエのうた」公開を記念し、アイナ・ジ・エンド主演で、1992年に放送された深夜ドラマ「夏至物語」を、岩井監督が自らリメイクすることがわかった。

10月13日に公開される「キリエのうた」は、壮絶な運命と無二の歌声を宿した主人公キリエの音楽がつなぐ、13年に及ぶ壮大な愛の物語。降りかかる苦難に翻ろうされる男女4人の人生が、切なくもドラマティックに交錯していく。映画初主演を飾るアイナが、主題歌を歌唱し、劇中曲として6曲を制作したほか、劇中でさまざまなパフォーマンスを披露。松村北斗(「SixTONES」)、黒木華、広瀬すずが共演する。

同作の公開を記念し、YouTubeチャンネル「岩井俊二映画祭」（https://www.youtube.com/@iwaishujiff）では、10月12日まで3カ月連続で、岩井監督の関連作品を配信中。「リップヴァンウィンクルの花嫁」「なぞの転校生」など、監督作からプロデュース作まで、過去作の数々を配信してきた。そして新たに、カルト的人気を誇る「夏至物語」のリメイク版を配信。愛する人の帰宅を待つ女の子の、愛と狂気に満ちた夏のある日を描く。どこか不穏でダークな物語とは裏腹に、美しい映像で綴られ、岩井監督ファンにはたまらない作品となっている。

あわせて、ティザー映像（https://youtu.be/xhTFSq4TOsk）とメインビジュアルがお披露目。アイナは、「キリエのうた」とは全く違う役どころを演じており、ビジュアルで切り取られた、何かをじっと見つめる美しい横顔が印象的だ。

オリジナルでは、ロックバンド「ムーンライダーズ」のファーストアルバム「火の玉ボーイ」（1976）内の名曲「午後のレディ」が、エンディング曲として使用されていた。リメイクに合わせ、同曲のリニューアル版が、「ムーンライダーズ」自らの手で47年ぶりにレコーディングされることも決定した。

リメイク版「夏至物語」は、92年にオリジナル版を放送していたカンテレで、10月8日の深夜25時～25時30分に放送（関西地区のみ）。YouTubeチャンネル「岩井俊二映画祭」でも、10月9日～19日に配信される。

さらに、「夏至物語『完全版』」が10月10日の午後8時から、日本映画専門チャンネルで放送。「『キリエのうた』公開記念・マイリトル映画祭Special 夏至物語×夏至物語」と題して、新旧の「夏至物語」と、岩井監督自ら作品を語る90分のスペシャル番組となっている。TVerでは「『キリエのうた』公開記念特集」を開催。9月15日の午前10時からオリジナル版「夏至物語」をはじめ、「雪の王様」「10の秘密」「恋なんて、本気でやってどうするの？」、同月22日の午前10時から「パーフェクトワールド」が配信される。アイナ、岩井監督のコメント（全文）は、以下の通り。

【アイナ・ジ・エンドコメント】

1992年の作品を時代を超えて携わらせていただけて、とても幸せに思います。
　ありがとうございます。
　岩井さんの世界に混ざりこめることは
　私にとってやはり、すごく楽しくて刺激的でした。
　岩井さんの奇想天外な感性を目の当たりにする度に、あぁ、最高だー！と心が漏れます。

自分に巡っている表現の血が
　ざわざわと音を立ててユウコに没入していきました。

とても暑い日の撮影で、岩井組の皆さんは汗をだらだら流していたのに、
　ずっと朗らかで、キラキラしていました。
　たくさん学ばせていただきました。

そして、暑すぎる中でそうめんを食べた時
　おいしくって生き返りそうになって
　そうめん大好きになりました。

“夏至物語”
　たんまり味わってもらえますように。
　一度見たあと、
　二度目はユウコと一緒にそうめんを食べて観ていただけたら嬉しいです。
　夏の思い出を作りませんか。
　何卒、よろしくお願いします。

【岩井俊二監督】

29歳の夏に撮った「夏至物語」をアイナさんでリメイク。これ自分がまず見てみたいと思い、ご本人に旧作を見て頂いたところ、やってみたいとお返事が。かくして実現した本作。4K版として復活しました。（当時の解像度で比較すると面積比で27倍！）

「キリエのうた」とはまた全く違うアイナさんです。きっとご堪能頂けるかと思います。旧作はムーンライダーズの「午後のレディ」の音源をお借りしてましたが、今回は改めて演奏して頂けることになりました。

改めて当時こんな変なドラマを放送してくれたカンテレさんには今も感謝しかありません。今後もこうしたショートフィルムを時々作れたらいいなといろいろ構想中です。