春画の多彩な表現、技巧、創造性に迫るドキュメント「春の画 SHUNGA」11月公開 R18+、一部劇場で4K上映
2023年8月23日 11:00

葛飾北斎、喜多川歌麿ら、江戸の名だたる浮世絵師たちが情熱を注いだ春画の、エロティシズムだけではない多彩な表現内容、技巧、その創造性に迫り、表情豊かに描かれる「性」と「生」を発見するドキュメンタリー映画「春の画 SHUNGA」(読み:はるのえ しゅんが)が、11月に公開される。レーティングはR18+、一部劇場で4K上映される。
絵師・彫師・摺師の才能と高度な技術により、「美」「技」において超一級の芸術と呼べる作品が数多く生み出されたが、時代が江戸から明治に変わると“猥褻画”として警察による取り締まりの対象となり、日本文化から姿を消してしまった春画。出版物や展覧会を通してアートとして再評価の機運が高まったのは、つい最近のことである。2015年に開催された「春画展」に触発され企画された劇映画「春画先生」(10月13日公開)が R15+のレーティングで春画の世界を広げることに続き、本作が公開される。
美しい映像で映し出されるのは、北斎の有名な蛸と海女の絵、歌麿の「歌まくら」、鳥居清長の「袖の巻」、鈴木春信のユーモラスな「風流艶色真似ゑもん」、大名家への嫁入り道具と伝えられる華麗な肉筆巻物、ヨーロッパのコレクター秘蔵の春画幽霊図などバラエティーに富んだ傑作の数々だ。
さらには贅を尽くした源氏物語のパロディ「正写相生源氏」(歌川国貞)の絢爛豪華な“極初摺り”も登場。金・銀などを惜しみなく使い、超絶技巧を駆使した立体的な表現は、現代では再現不可能とまで言われている。
春画に描かれている性愛のかたちは多彩であり、また必ずしも性愛だけを描くわけでもない。歓喜と興奮、情熱と悲哀、嫉妬、駆け引きなど人間味あふれるドラマ、春画が「笑い絵」と称されユーモアをもって描かれる「生命」そのものの魅力も伝える。そのほか、復刻やデジタル化などのプロジェクトを紹介。没入感を味わえるアニメ化した春画も見どころの一つだ。
監督は、数々のドキュメンタリー番組を手掛けてきた平田潤子。北海道から九州、更には海外にまで取材し、美術コレクターや浮世絵研究家、美術史家、彫師、画家などに取材を重ねた。出演は横尾忠則、会田誠、木村了子、石上阿希、早川聞多、浦上満、アンドリュー・ガーストル、ミカエル・フォーニッツ、橋本麻里、朝吹真理子、春画ール、ヴィヴィアン佐藤、樋口一貴、高橋由貴子、山川良一。アニメパートの声の出演として、森山未來と吉田羊が参加する。
2023年11月、シネスイッチ銀座ほか全国公開。
■平田潤子監督
なぜ日本にはこんなにもエロなアートがあるんだろう?この圧倒的なクオリティと成熟はなぜ?そんな好奇心から春画をめぐる旅をはじめました。ご先祖さまたちの性に対する飽くなき探求心に、感心したりあきれたり…でも撮影を通して感じたのは、生そのものの持つ官能性と、美しさでした。めくるめく春画の世界に描かれた、ちょっとおかしくて愛おしい人間たち。今と変わらぬ彼らの姿を、ぜひのぞき見
てください。
本作は 2019 年の夏ごろから企画をはじめました。本年10月13日公開の劇映画「春画先生」(塩田明彦監督、ハピネット・ファントムスタジオ配給)を制作する中で、あまりに春画世界が奥深くしかも、書籍でしか知ることのできない興味深いエピソードや作品にあふれていることを知りました。テレビでは放送できないけれど、映画館であれば映像で春画世界をもっと多くの皆様に紹介できると制作を決意しました。今まで春画について聞いたことがあるけど、良く知る機会がなかった皆様に楽しんでいただけると思います。
5年前、日米国際共同制作の番組「江戸あばんぎゃるど」を制作し NHK で放送した。浮世絵をテーマにしながらもテレビという性質上、春画には触れることが出来ず、今回ついにその素晴らしさを描くことが叶えられた。期せずして出演者、スタッフに女性が多く集まった本作。その視点からタブーの存在として秘匿されてきた春画の豊穣な世界を紐解き、軽やかに令和の時代に解き放した。
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