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「インスペクション」は“監督の覚悟”が生んだ希望の物語だった 「自分の人生を見せることで勇気を与えたい」

2023年8月5日 12:00

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エレガンス・ブラットン監督
エレガンス・ブラットン監督
(C)2022 Oorah Productions LLC.All Rights Reserved.

新鋭監督エレガンス・ブラットンが自らの“衝撃的な実話”を映画化した「インスペクション ここで生きる」のフィーチャレット映像が、このほど公開された。

ムーンライト」「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」といった革新的な作品を送り出してきた映画会社A24の新作。ブラットン監督は、ゲイであることで母親に捨てられ、16歳でホームレスになり、そのまま10年という長い年月を路上で過ごした。その後、生きていくために海兵隊への入隊を志願した…という異色の経歴を持つ人物。本作は、そんな“驚きの実話”を基にしたストーリーが描かれている。

保守的なクリスチャンであり、黒人女性という社会的に弱い立場にありながらシングルマザーとしてひとり息子を育て上げた母親にとって、ブラットン監督ががゲイであるということは容易に受け入れられるものではなかった。母親とはほとんどコンタクトを取ることはなかったというブラットン監督。しかし、母との関係を諦めることはなかった。

「僕のことを避けられないように映画監督となった」。そう語るほど、最愛の母への想いは、ブラットン監督の創作活動において切っても切り離せないものとなる。やがてそれは「自分の人生を見せることで人々へ勇気をもたらしたい」という想いへと昇華されていった。

「母親に認めてもらいたい一人の少年として監督は作品にリアルをもたらした」「社会から排除された人々の苦しみを見事にとらえている、彼は天才だと思った」。そう語るのは、母親役を演じたガブリエル・ユニオンと、海兵隊のブートキャンプにおいて最も苛酷なシゴキを与えるロウズ教官役を演じたボキーム・ウッドバイン。実生活でトランスジェンダーの娘を持ち、普段からクィア・コミュニティを理解しサポートしているユニオン。役柄と自身のセクシュアリティに対する価値観がかけ離れていることで、実ははじめ出演を断っていたが、ブラットン監督の熱意に心を動かされオファーを承諾したという経緯がある。

ジェレミー・ポープ
ジェレミー・ポープ
(C)2022 Oorah Productions LLC.All Rights Reserved.

そして、監督の想いに一番共鳴したのが、監督自身を投影した分身ともいえる主人公・フレンチを演じたジェレミー・ポープだ。俳優・歌手として活躍しているポープは、自身がゲイであることを公言しており、同じ黒人のクィアとして経験してきたさまざまな事柄を通して、自然とブラットン監督との共通点を見出すことができたという。

「同じ黒人でクィアのアーティストとして、監督を守ることが僕の使命だと感じた」そう力強く語るポープは「監督は身を切る覚悟で挑んでいる、世の人々のために」と続ける。別のインタビューでは、「監督は観客にすべてをさらけ出し、数々の傷を負いながらも勝利をつかんだ体験を語っている。観客には僕を通して監督を知ってほしいと思った。彼とはいつも、優しさがこの世の中にどれだけ大切かを話しているんだ。取り残されたコミュニティの人々や不十分だと言われ続けてきた人々に共感してもらえることを願うよ。彼らにだって可能性はあるとこの作品は示しているんだ」とも答えている。

黒人でクィアであることで社会からのけ者にされ、「透明だと思っていた」というブラットン監督が、自身を癒すために製作を始めた本作は、いつしか自身と似たように辛い経験をしている人に、慰めとインスピレーションを与えられるようにと世界中の人に届けられた。主人公のフレンチは、厳しい訓練や差別にさらされながらも“自分自身であること”、そして“他者と向き合うこと”を諦めない姿を通して、前向きなメッセージを投げかける。ブラットン監督の熱意と覚悟に心動かされたスタッフ・キャストたちが生んだ「希望の物語」となっている。

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