【追悼】ジェーン・バーキンさん 娘シャルロット・ゲンズブールが母を見つめるドキュメント「ジェーンとシャルロット」予告編
2023年7月18日 17:00

7月16日に死去した歌手で女優のジェーン・バーキンと、故セルジュ・ゲンズブールとの間に生まれた女優、シャルロット・ゲンズブールの初監督作で、母と自身の関係を見つめたドキュメンタリー映画「ジェーンとシャルロット」の予告編、電子版ポスタービジュアル、新たな場面写真と著名人らのコメントが披露された。
2018年、東京。シャルロット・ゲンズブールは、母であるジェーン・バーキンの撮影を開始する。自分たちの意思とは関係ないところで、距離を感じていたという母娘。ジェーンがセルジュの元を離れ家を出て行った後、父の元で成長したシャルロットには、ジェーンに聞いておきたいことがあった。3人の異父姉妹のこと、次女である自分より長女ケイトを愛していたのではという疑念、公人であり母であり女である彼女の半生とは一体どんなものだったのか。シャルロットはカメラのレンズを通して、初めて母親の真実と向き合うことになる。

予告編では、日本やパリのセルジュ・ゲンズブールの家など様々なロケーションで撮影された母と娘の親密な語り合い、シャルロットの母への思い、ジェーンによるシャルロットへの告白などふたりの間に流れる優しい時間が映し出される。電子版ポスタービジュアルでは、母ジェーンが所有するノルマンディーの家で、シャルロットがカメラを片手に対話する場面が採用された。
8月4日からヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国公開。
母を切望する娘の眼差しは、
あまりに柔らかく、鋭く、リリカルで……
いつしか呼吸するのも忘れ、画面に見入っていた。
容易に解かれない愛のミステリー。
けれど、彼女たちの佇まいに、言葉の端々に、
答えはちゃんと存在していた。
Parisでジェーン・バーキンの家に行った時、
3階の部屋で机に向かって勉強していたシャルロット。
可愛くて透明でシャイな少女が大人になり、監督になった。
歳を重ねたジェーンのすべてを優しくありのままに映し撮っていた。
ボーカルをなくしたシャルロットの音楽もいい。
母と娘の関係は様々である。
Jane とCharlotteはお互いを否定することの無い関係に見える。
でもそこに至るまでには葛藤ややり場の無い寂しさがあり、
長い時間をかけてようやくお互いの存在を理解して行く様が見えて来る。
私と私の母との関係、そして私の娘たちとの関係を、
改めて深く考える事を教えてもらえた気持ちになった、
素晴らしい作品。
時代のアイコンであり、親子であり、
女優同士でもある二人がカメラを通じて初めて語り合う極めてパーソナルな、
それ故に普遍的な人生の物語。
母であること、娘であること、愛すること、老いること、愛する人を失うこと、
戸惑いと和解を繰り返しながら、それでも前を向いて生きていくこと。
今年、最も心に響くドキュメンタリー映画です。
ジェーン・バーキンをスクリーンでちゃんと観たのは『欲望』が最初。
アイコンとしてではなく等身大の視点でみたことがなかった私は、
シャルロットとのぎこちなくも愛のあるやりとりに妙に胸騒ぎを覚えながら観た。
多分自分の中で消化しきれてない私の人生の棘を刺激されたのかもしれない。
まるで、私を見ているようだった。
子供たちに愛を捧げ、それ故に怯えてる
嫌われたくなくて、ずっと愛してほしくて。
子供たちの為ならどんなことでもできる用意がある。どんな時でも。
でも、その事はいつも秘密。
親子。愛を繋ぐ~
母に抱く憧れや尊敬、そして複雑な感情が全て素直に描かれていて、
私も娘としてシャルロットに通ずる想いを感じた。
母でありアーティストであるジェーンの言葉は柔らかくて美しくて、人間的。
まるで私の母みたいだなぁと思うところもあって、とても素敵な映画だった。
母ジェーンとの真の愛の姿はどこに?
リアルな母の言葉を求めて、
娘シャルロットのひたむきな思いに胸を打たれる。
誰もが母親との関係を優しく見直したくなる映画。
娘は母に抱きしめられたいだけ。
わたしはいつもそう話す。
わたしも会話ではなく、母にハグされたかった。
それだけ。
そんなシンプルなことが何よりも大切だと
この作品を見て改めて思った。
まるで家主の留守を狙って、突然母娘がセルジュの家を訪ねる。40年の時を経て、まったく当時のままの香水瓶を開ける。いまだその中に入っている気体を吸い込むジェーン。その瞬間我々も目眩と共に記憶や時間、映画の魔術を味わう。
不思議。こんな美しい映画なのに親戚のホームビデオくらい心に近くて。
シャルロットのコーデュロイコート真似したくなる!
この数年間で大きな痛手を負ったジェーンの心に向かう、娘シャルロット。
パパは元祖チョイ悪オヤジの大プロデューサー、セルジュだ!
女性の旗手達が、男女の変わり目の時代だからこそグっと来る映像美。
親子の魂の邂逅に涙せずにいられない奇跡のドキュメンタリー!
セルジュ(・ゲンズブール)の訃報に接した当時のフランス共和国大統領、フランソワ・ミッテランは、「われらの時代のボオドレールにしてアポリネールであった」といってかれの死を惜しんだ。フランスが生んだもっとも偉大なふたりの詩人の生まれ代わりであったというに等しい。その男を愛したふたりの女の対話が浮かび上がらせたのは、愛するものを永遠化するためででもあるかのように、愛したものを壊しつづけた詩人のレガシィとしての、ジェーンとシャルロットという名の、かれらじしん(の自画像)であった(のだとおもう)。

(C)2021 NOLITA CINEMA – DEADLY VALENTINE PUBLISHING / ReallyLikeFilms
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