フェルメールやレンブラントに影響された絵画のような映像美 “大人のための寓話” 「栗の森のものがたり」10月7日公開
2023年6月28日 16:00
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フェルメールやレンブラントに影響を受け、チェーホフの短編にインスピレーションを受け創出した絵本のような世界を描く「Zgodbe iz kostanjevih gozdov(原題)」が、「栗の森のものがたり」の邦題で、10月7日に公開されることが決定した。あわせてティザーポスター、特報5種がお披露目。全てのカットに美が宿る“大人のための寓話”の一端が垣間見える。
本作は、新鋭グレゴル・ボジッチが長編監督デビューを果たし、2019年のスロベニア国際映画祭で最優秀作品賞を含む11部門で受賞。20年のなら国際映画祭では、コンペティション作品のなかで「最も美しい」と評され、審査員特別賞に輝いた。イタリアとユーゴスラビアの国境に位置する広大な森を舞台に、ケチな棺桶職人と、夢見る栗売りの孤独なふたりの人生を幻想的に描き出す。
物語の舞台は1950 年代、かつては“安息の地”と呼ばれ、息をのむ美しさを誇った栗の森に囲まれた、イタリアとユーゴスラビアの国境地帯にある小さな村。第二次世界大戦終結後、長引く政情不安から人々の多くは村を離れ、村に残った人々も、戻ってくるはずのない家族や隣人をただ待ち続けていた。
老大工のマリオは、家を出たまま戻らないひとり息子からの連絡を待ち続け、投函することのない息子宛の手紙に思いを綴っては、引き出しにしまっていた。一方、栗売りのマルタは、戦争から戻ってこない夫の手紙と数枚の写真を唯一の手がかりにして、現在彼が住んでいると思われるオーストラリアに旅立つ決意を固めていた。そんなある日、マルタとマリオは出会い、互いの身の上を語りながら、その境遇を思いやる。そしてマリオは、マルタにある提案を持ちかける。
脚本・編集も兼ねたボジッチ監督は、フェルメールやレンブラントといった、オランダの印象派の画家に影響を受けたといい、35ミリとスーパー16ミリフィルムを駆使し、絵画のような風景を切り取った。使い古しの洗面器、ピッチャーや果物、箒や靴、洗濯カゴや紙くずなど、何もかもが優しい光に照らされ、ゆっくりと時が流れる森の日常を陰影深くとらえた独特の映像美を実現させた。また、地中海の栽培学の熱心な研究者でもあるボジッチ監督は、12年にイタリアとスロベニアの国境地帯にある古い農家と協力して、古い果物や自生する果物品種に関する膨大な調査を行った。その際に昔話や寓話を数多く収集したことが、本作の製作につながったという。
賭け事が大好きで、病弱な妻にも辛辣な言葉を浴びせるマリオを、イタリアの名優マッシモ・デ・フランコビッチが演じる。お金を貯め栗の森を離れようとする、“最後の栗拾い”マルタ役は、「最もセクシーなクロアチア女性スター」にもランクインしたイバナ・ロスチ。マリオの妻ドーラ役を、イタリアの演技派ジュジ・メルリが務めている。アイスランドのヘクラ・マグヌスドッティルが音楽を担い、幽玄なテルミンの音色で、彼らの喜びや悲しみ、喪失感の無常さを詩的に表現した。馬車に乗る若い女性ふたりが、シルビー・バルタンの名曲「アイドルを探せ」を歌い踊るシーンも印象的だ。
「栗の森のものがたり」は、10月7日から東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開。
(C)NOSOROGI TRANSMEDIA PRODUCTION RTV SLOVENIJA DFFB 2019
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