【第76回カンヌ国際映画祭】「インディ・ジョーンズ」最新作お披露目! インディ役引退宣言のハリソン・フォード「有終の美を飾るようにしたかった」
2023年5月20日 13:00
第76回カンヌ国際映画祭で、全世界が待ち望んだ「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」のワールドプレミアとともに、ハリソン・フォードに名誉パルムドールが授与された翌日、その興奮も冷めやらぬなか、新作の記者会見がおこなわれた。
ジェームズ・マンゴールド監督、フォード、インディの宿敵となる元ナチスの科学者に扮するマッツ・ミケルセン、友人の娘でインディが名付け親であるヘレナ役のフィービー・ウォーラー=ブリッジら主要キャストが顔を揃え、会場は熱気にあふれた。
映画内でインディが、上半身裸になるところを挙げて、「あなたはいまだにホットな俳優ですよ」と女性記者から賞賛が寄せられると、「体には恵まれてきたからありがたいよ」とフォード。カンヌ特別編集の「ハリソン・フォード・ダイジェスト」も上映された前日のプレミアの感想を訊かれると、再び感極まった表情となり、「なんと言っていいかわからない。いや、とても言葉で表現できない気持ちだ。自分が人生でこれまでやってきたことを目にするのはとんでもないことで、カンヌという場の熱さ、人々の歓迎ぶりは想像を絶するものだった」と言葉を噛み締めた。
フォードは今作でインディ役を引退すると宣言しているが、その決心について尋ねられると、自分の体を指しながら、「もっともだと思わないか? そろそろ座ってゆっくり休むことが必要だ。でもわたしはこの仕事をいまも愛しているし、このキャラクターと、それがわたしの人生にもたらしてくれたものを愛している」と胸の内を明かす。今回の制作でこだわった点について、「有終の美を飾るようにしたかった。若さに頼っていた男が年齢を経て、人生の重みを背負っていること、新しく生まれ変わることを求められるのを見たいと思った」と語った。
本作ではまず幕開けに、ナチスが敗戦前に戦利品を運び出そうとするなかで若きインディが発見した「運命のダイヤル」をめぐって、争奪戦を繰り広げる圧巻のアクション・シーンが展開する。このシーンのフォードはCGにより若返っているが、さすがの高度な技術ぶりに唸らされる。フォード自身も、「35年前の自分を見るようだったよ。この映画は本当に丹念に作られているんだ」と語った。
これまでシリーズを手掛けてきたスティーブン・スピルバーグに代わってメガホンを握ったマンゴールドは、「とんでもない重責で最初は尻込みをしたが、伝説的なキャストとスタッフたちが家族の一員のように受け入れてくれた。すべてを満足させることはできないかもしれないが、自分の映画として胸を張れるものにしたかった」と言葉を添えた。
宿敵として重要な役割を果たたしたミケルセンは、「子どもの頃、『インディ・ジョーンズ』を見て、役者になりたいというよりインディになりたいと思っていた。そんなシリーズに出られるなんて夢のようだった。たとえみんなから嫌われる悪役でもね(笑)」とコメントした。
記者会見も、カンヌで終始謙虚さを表していたフォードの、誠実な人柄がにじみ出るような温かさに包まれていた。(佐藤久理子)
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