ゴア好きなら絶対に目に焼き付けてほしい素敵なシーンが満載「クロムスカル」【人間食べ食べカエルのホラー映画コラム】
2023年5月5日 22:00
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Twitterのホラー界隈で知らぬ者はいない人間食べ食べカエル氏(@TABECHAUYO)によるホラー映画コラム「人間食べ食べカエル テラー小屋」では、“人喰いツイッタラー”が、配信中のオススメ作品を厳選し、その見どころを語り尽くす! 今回は、シネマ映画.comで5月5日(金)~5月7日(日)に配信される「クロムスカル」をご紹介。残酷過ぎて日本未公開だったスプラッタースリラーの見どころとは!?
今年も様々な殺人鬼が活躍している。4月には「ハロウィン THE END」が公開され、マイケル・マイヤーズが老体に鞭を打った。そして、6月には無言を貫く殺人ピエロの鑑アート・ザ・クラウンが再臨する「テリファー 終わらない惨劇」が日本に上陸。さらに同月には、あのお馴染みのキャラクターが血に飢えたキラーと化してしまう「プー あくまのくまさん」とかいう恐ろしい作品まで控えている。だが、殺人鬼はそれだけではないのだ。2009年に米国で公開されたものの、残忍すぎて14年もの間にわたって封印されていた最凶の殺人鬼が日本上陸を果たす。狂気のスラッシャーホラー「クロムスカル」の劇場公開が決定したのだ! やったぜ!! というわけで今回は、この作品について紹介します!
1人の女性が棺桶の中で目を覚ます。記憶もなく、なぜこんな場所にいるのか全く分からない。混乱する彼女を突如、肩にビデオカメラを付けた殺人鬼が襲う! 奴の名はクロムスカル。殺人の様子を肩のカメラに収める恐ろしい奴だ。間一髪で逃げた女性は、道中出会った夫婦の助けを借りながら逃げ続ける。それを追うクロムスカル。その間に、逃走劇に巻き込まれた色んな人が死にまくる! 果たしてこの攻防に終わりは来るのか!?
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ひたすら逃げる女性! それを追う殺人鬼! 巻き込まれて死ぬ人々!! 構成は非常にシンプルだ。そこに目いっぱいのスリルと見せ場を詰め込んだ、まさに理想的なスラッシャー映画に仕上がっている。そんな本作の最大の見どころは、当たり前だが残酷描写である。殺人鬼クロムスカルは、デカいナイフを手に取り人々に襲い掛かる。これを自在に操りながら、人々の切ってはいけないところを切りまくるのだ。彼の得意技は顔面破壊のようで、特に顔回りの損壊描写が豊富だ。顔がぐしゃっと潰れ、頭部が見たことない壊れ方をする。もちろん内臓も飛び出すので、モツ系のゴア好きも安心してほしい。凄まじくグロテスクな絵面を、真正面から手ブレ少な目で画面いっぱいに映してくれるのが嬉しい。「このシーン自信あるぜ! 見てくれよ!!」という作り手の心の声が聞こえてくるようだ。最高の人体破壊を拝むことができる。ゴア好きなら絶対に目に焼き付けてほしい素敵なシーンが満載だ。
本作を手掛けたのは特殊メイク畑出身のロバート・ホールという人物。彼は、本作を作るまで15年以上にわたって様々な作品の特殊メイクを手掛けてきたプロフェッショナルである。そりゃゴアシーンに自信あるわけですよね! 「フランケンフィッシュ」や「パーフェクト・トラップ」など、これまで彼が関わった作品は、いずれもグロイ映像に定評のあるものばかり。TVドラマ「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」の製作にも参加したことがあり、それがきっかけでレナ・ヘディとトーマス・デッカーがこの映画に出演してくれたという裏話がある。
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本作はホール監督にとって当時2本目の長編だが、非常にソリッドで無駄が無い。彼曰く「15年も映画現場に携わっていたら映画製作のプロセスも分かってくるし、監督に転身するのは簡単なことだよ」とのこと。実際、単純な作りながら見せ場の配置やテンポが良く練られているし、画面のコントロールもバッチリだ。満を持して公開された本作は、ホラーファンにも高い評価を受けて、カルト的人気を得るという素晴らしい結果を残した。クロムスカルは人気殺人鬼キャラの仲間入りをして、めでたいことに続編も作られている。
自身のこれまでに培ったスキルを存分に活かしながら、監督として見事な仕事をやってのけたロバート・ホールの集大成がこの映画には詰まっている。長い時を経て日本での公開が決まり、この名作を鑑賞するハードルが下がったことはとても良いことだ。彼は、本作以降も特殊効果をメインに仕事を行い、「ウェア 破滅」や「エリア51」など相変わらず楽しい作品を作ってくれていたが、2021年に47歳という若さでこの世を去ってしまった。本当に残念でならない。向こうから「クロムスカル」の日本上陸を喜んでくれていると良いなと思う。改めて、ご冥福をお祈りします。
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(C)2009 DRY COUNTY FILMS,LLC.
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