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アヌシー最高賞「プチ・ニコラ」監督が新潟国際アニメーション映画祭参加 「『ホーホケキョ となりの山田くん』に影響受けた」

2023年3月21日 13:00

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アマンディーヌ・フルドン監督(右)とバンジャマン・マスブル監督
アマンディーヌ・フルドン監督(右)とバンジャマン・マスブル監督

新潟市で開催中の「第1回新潟国際アニメーション映画祭」で、コンペティション部門に選出されたフランス映画「プチ・ニコラ パリがくれた幸せ」のアマンディーヌ・フルドン、バンジャマン・マスブル監督がトークを行った。

いたずら好きの小学生プチ・ニコラとクラスメートたちの愉快な毎日を描き、フランスで50年以上愛される児童書「プチ・ニコラ」を初めてアニメ映画化。パリを舞台に、「プチ・ニコラ」の物語と原作者ふたりの喪失と創造の人生を交え、ノスタルジーと幸せにあふれた物語に仕上げた。第75回カンヌ国際映画祭スペシャル部門出品、2022年アヌシー国際アニメーション映画祭ではクリスタル賞(最高賞)を受賞している。

国民的な児童書を映画化することに「誰でも知っているキャラクターですから大きなプレッシャーがありました。プレッシャーというより責任ですね。リスペクトもあるので、絵本に近い形で映画を作りました。数ページでエピソードを語るという絵本の形式を守りたく、その準備に力を入れました。また、原作者のふたりの人生には、つらいこともありました。それが分かったときに、フランスでの副題『Qu'est-ce qu'on attend pour etre heureux ? (幸せをどう待とう)』の重要性を感じました。それは、劇中最後に流れる音楽のタイトルでもあり、人生を楽しもうというメッセージなのです」とマスブル監督。

フルドン監督は「絵本は白黒なので、その世界観を保つために、浅く優しい色を使って詩的なタッチに、そしてポジティブな映画になるように心がけました。しかし、困難な人生のエピソードも無視はできないので、その後またポジティブになれるように、波のようなリズムを作りました」と映画のルックやドラマの表現について説明する。

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原作のイラストレーターであるジャン=ジャック・サンペがグラフィック・クリエーターとして参加したが、マスブル監督はサンペが昨年亡くなったことを明かす。「彼と共同作業ができたことは素晴らしい経験でした。ですから『Qu'est-ce qu'on attend pour etre heureux ? (幸せをどう待とう)』は彼の精神にぴったりでした。政治、社会的な暗い映画ではなく、笑顔で楽しめるような映画を作りました」と言い、「サンペのイラストは全て手描きなので、われわれはそれをひとつひとつデジタル化しました。線の太さなどはサンペのイラストのように描かれています。そのほか、日本のアニメにも影響を受けています。高畑勲監督の『ホーホケキョ となりの山田くん』の、少しづつ線がひろがっていく表現です」と紹介する。

本作はすでに日本での劇場公開が決まっており、「原作は子ども向けですが、映画は親世代が感動してくれました。孫、子ども、家族で、世代を超えて楽しめる作品です。人間関係とは何か、それを描いた作品なので、ぜひ映画館で見てください」とフルドン監督は日本の観客にメッセージを寄せた。6月9日から、新宿武蔵野館、ユーロスペース他で順次公開される。映画祭は22日まで開催。チケット販売を始めとした映画祭の情報は(https://niaff.net)で告知している。

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