【第73回ベルリン国際映画祭】マット・デイモン&ベン・アフレックプロデュース作出演のU2メンバーが登場 コンペ下馬評はスペイン、メキシコ映画などが高評価
2023年2月25日 18:00

2月26日まで開催中のベルリン国際映画祭で、マット・デイモンとベン・アフレックがプロデュースを務めた、サラエボが舞台のドキュメンタリー、「Kiss the Future」がベルリナーレ・スペシャル部門のワールドプレミアを迎え、デイモンと並んで、映画に登場するロックバンドU2のメンバーであるボノとアダム・クレイトンが姿を現した。予期せぬサプライズに会場は熱狂に包まれた。
終映後、デイモンとネナード・シシン=セイン監督、サラエボから訪れた出演者たちとともに舞台にあがったボノとアダムは、スピーチこそしなかったものの、感無量の様子で何度も会場に向かってピースサインを掲げていた。
本作は90年代に起きたサラエボの内戦中、アンダーグラウンドのカルチャー・シーンで、ロック・ミュージックが人々のモチベーションとなった様子を、当時のキー・パーソンであった人々の証言とともに振り返る。とくにU2のプロテスト・ソングが彼らの抵抗のシンボルとなったこと、ついにメンバーにコンタクトができてボノとの対話が実現したこと、そして内戦終了後、サラエボにおけるU2の歴史的なコンサート開催に至るまでの様子が鮮烈に描かれている。

公式記者会見に出席したシシン=セイン監督とデイモンは、本作の生まれたきっかけについて、「ボノとマットが古くからの友人であることを知っていたので、マットにプロデュースを頼みました」(シシン=セイン監督)、「企画を聞いてとても心を動かされ、これに関わらない理由はないと思った。作り手にとってはとても困難なプロジェクトだったと思いますが、送られてくる素材を観るたびに、彼らの発言、彼らの経験したことに胸が熱くなりました」(デイモン)と制作の理由を語った。
今回のベルリン国際映画祭では、ウクライナ問題に絡んでドキュメンタリー部門が注目を浴びているなか、本作も共通するテーマの作品として、大きな話題を呼んだ。

コンペティション部門では全作品が出揃い、授賞式の結果を待つばかりとなった。そのなかでも下馬評が高いのは、ともに子どもの視点から描いたスペイン映画の「20,000 Species of Bees」とメキシコ映画の「Totem」、アメリカ在住の韓国人セリーヌ・ソンの自伝的ラブストーリー「Past Lives」あたり。そのなかで、アニメーション作品として新海誠の「すずめの戸締まり」がどう評価されるかに期待がかかる。(佐藤久理子)

PR
©2025 Disney and its related entities
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

すごすぎて言葉にならない映画
【人類史上最悪の“ブラック仕事”爆誕】よく考えずに転職したら…死んで生き返る“無限労働”だった…
提供:ワーナー・ブラザース映画

日本の映画館は高すぎる!?
【そんなあなたに】衝撃の価格破壊! 2000円→750円になる裏ワザあります
提供:KDDI

「イノセンス」4Kリマスター版
【いま観ずに、いつ観る?】公開20周年記念、劇場“初”公開!“究極”の「イノセンス」が解放される
提供:TOHO NEXT

石門
就活中に妊娠、卵子提供のバイト、生活に困窮…壮絶、しかし共感する驚愕体験【100%超高評価作】
提供:ラビットハウス

35年目のラブレター
【感動実話に“とんでもない絶賛”の嵐】噂を聞きつけ実際に観てきたら…忖度なし正直レビュー!
提供:東映

ヤバい映画みつけましたよ
【いた…凄まじくクレイジーな監督が…!】壮大VFXの映画をほぼ1人で製作、撮影に7年、完成に12年
提供:Henge