特集上映「宿命の女 ルイズ・ブルックス」4月開催 「百貨店」「パンドラの箱」などを上映
2023年2月22日 10:00

「ハリウッドのルル」(Lulu in Hollywood)の刊行を記念した特集上映「宿命の女 ルイズ・ブルックス」が、4月8~21日にシネマヴェーラ渋谷で開催されることがわかった。
ブルックスは、バイブル・ベルトであるカンザス州に生まれ、高校を中退してダンスの道に進むが舞踏団の規律に従えず断念。1925年「或る乞食の話」で映画デビューを果たした。ハワード・ホークス監督作「港々に女あり」をきっかけにドイツへ招かれ「パンドラの箱」のヒロイン・ルル役を演じた。同作品によって、アンリ・ラングロワの「ディートリッヒ、ガルボさえも霞んでしまう。ただ、ルイズ・ブルックスだけがそこにいる」という言葉通り神話的存在になった。

17本のサイレント映画と8本のトーキーに出演した後、1938年に映画界を引退し、故郷でダンス教室を開くが失敗。仕事を転々とし、後には崇拝者達からの援助で暮らしていたが、50年代のフランスでの発見がアメリカでの再評価につながった。晩年はジョージ・イーストマン・ハウスのキュレーターの助けを得て映画についてのエッセイを書くようになり、「ハリウッドのルル」を出版しベストセラーとなった。ブルックスはショーペンハウエルやプルーストに耽溺する読書家だったが、「ハリウッドのルル」は、その知識と人間観察力が花開いた1冊だ。

仕事でもプライベートでも自由奔放、言葉も辛辣で気難しく、2度の結婚も破綻。性的にリベラルであり、恋人がいてもアバンチュールが絶えなかった。9歳で性的虐待を受けたとき、母親は「彼女がそう仕向けた」と非難したという。幼くして、後に彼女が演じた無邪気な悪女(=意図せず周りの人間を堕落させ破滅させる)だと決めつけられたことは深い傷を残したに違いない。しかし、ブルックスは自由と本を何よりも愛した一人の人間だった。

今回の上映では、20歳の初主演作「百貨店」からトーキーの「ミス・ヨーロッパ」まで魅力溢れる出演作7作品に加え、自伝的エッセイ「ハリウッドのルル」でブルックスが取り上げた監督・俳優の作品も上映する。
「ハリウッドのルル」(ルイズ・ブルックス/訳:宮本高晴訳/国書刊行会)の価格は3200円。3月下旬刊行予定。上映作品のラインナップは、以下の通り。
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