「せかいのおきく」ロッテルダム国際映画祭で上映 阪本順治監督「温かく迎えてもらえた」
2023年2月3日 16:00

阪本順治監督が自身のオリジナル脚本を映画化した「せかいのおきく」が2月1日(現地時間)、オランダで開催中の第52回ロッテルダム国際映画祭のビッグスクリーンコンペティション部門で上映された。ワールドプレミアに阪本監督、寛一郎、本作の企画・プロデューサーである美術監督の原田満生が参加した。

黒木華が主演を務める本作は、人と人のぬくもり、そして命の巡りを鮮烈なモノクロ映像で描く物語。江戸末期、寺子屋で子たどもちに読み書きを教えているおきくは、ある雨の日、厠(寺所有の公衆便所)のひさしの下で、雨宿りをしていた紙屑拾いの中次(寛一郎)と、下肥買いの矢亮(池松壮亮)と出会う。侘しく辛い人生を懸命に生きる三人はやがて心を通わせていくが、ある悲惨な出来事に巻き込まれたおきくは、喉を切られ、声を失ってしまう。
約300人の観客が本作を鑑賞し、翌2日の上映はチケットがソールドアウト。上映中、何度もクスクスという笑いが起きた。

上映後、阪本監督は「緊張もしましたが、温かく迎えてもらえたと思いホッとしています。最初から海外の方が観るという前提で作っているわけではなかったので、思ってもみない反応があって新鮮でした」と明かす。
Q&Aでは「映画の中の糞尿はどんな素材でできているのですか?」という質問があり、阪本監督は「この映画は3年かかっていて、最初は段ボールを千切って作っていたが、改良を重ね、残飯などを使って顔にかかっても大丈夫な素材になっている」と説明。寛一郎は「実際、少し臭かったです」と明かし、笑わせた。

「せかいのおきく」は4月28日に全国で公開される。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

キャンドルスティック
【予告編だけでこんなに観たくなること…ある!?】阿部寛、10秒でAIを騙す――狂おしいほど面白そう
提供:ティ・ジョイ

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった1秒のシーンが爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

すさまじい“魂震作”だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント