アダルトグッズ・ショップで学ぶ“自分らしく生きること” 注目のモンゴル映画、4月28日公開
2023年1月20日 11:00

第20回ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバルでグランプリを受賞したモンゴル映画「THE SALES GIRL(英題)」が、「セールス・ガールの考現学」の邦題で、4月28日から公開されることが決定。あわせて、ポスタービジュアルが披露された。
本作はモンゴルの都市部で生きる一人の女性の成長譚を、アダルトグッズ・ショップを舞台にユーモアたっぷりに、そして軽やかに描ききった作品。モンゴル・ウランバートルで家族と暮らし、大学で原子工学を学ぶサロールは、代わり映えのない毎日を送っていたが、ひょんなことから、大人のオモチャが所狭しと並ぶ、ビルの半地下にある怪しげなアダルトグッズ・ショップでアルバイトをすることになる。店を訪れるさまざまなタイプのお客たちと接する日々の中で、人生経験豊富な女性ショップ・オーナーに導かれ、自分らしく生きることを学んでいく。
ワールドプレミア上映となった第17回大阪アジアン映画祭では、コンペティション部門に出品。上映後、SNSには「ダントツの面白さ」「モンゴル映画の印象が変わった!」「音楽の入り方、めっちゃセンスを感じた」といった絶賛の声が並んだ。
また、300人のオーディションの中から選ばれ、本作が映画デビューにして映画初主演となったバヤルツェツェグ・バヤルジャルガルが「最も輝きを放っている出演者」に贈られる薬師真珠賞を受賞している。そして主人公サロールと不思議な友情関係を築き、人生の酸いも甘いも噛み分け、サロールに金言を授けるキーパーソンとなるオーナー・カティアを演じたのは、エンフトール・オィドブジャムツ。実に30年ぶりの銀幕復帰となったモンゴルを代表するベテラン俳優だ。
監督は、ジャンチブドルジ・センゲドルジ。初期代表作である「オキシゲン」が第1回なら国際映画祭に入選、以後も「Lovers」でモンゴル版アカデミー賞の最優秀監督賞を受賞、「Life」がウランバートル国際映画祭で最優秀長編作品賞を受賞するなど、現代のモンゴル映画界を代表する俊英監督だ。本作では、監督のほかに脚本・プロデューサーも兼任。2022年のウランバートルのラジオチャート年間トップ20入りも果たした、人気シティポップ・バンド「マグノリアン」のヒット曲が映画全編を彩り、“新しいモンゴル映画”を印象付けるのに一役買っている。
なお、邦題となった「考現学」とは、社会現象を定点観測で調査・研究し、世相や風俗を分析しようとするもの。主人公サロールはアダルトグッズ・ショップで働くことで、そこに集うオーナーやお客たちと接し、さながらフィールドワークのような日々を過ごすことで、自らの未来を主体的に歩んでいくようになる。
「セールス・ガールの考現学」は、4月28日から新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

キャンドルスティック
【予告編だけでこんなに観たくなること…ある!?】阿部寛、10秒でAIを騙す――狂おしいほど面白そう
提供:ティ・ジョイ

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった“1秒”で爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

すさまじい“魂震作”だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント