第1回新潟国際アニメーション映画祭コンペ作品発表 押井守審査委員長「これまで受け皿がなかった作品にスポットライトがあたることを期待」
2023年1月18日 17:00
3月17日から新潟市で開催される第1回新潟国際アニメーション映画祭のコンペティション部門参加作品、本ポスタービジュアルが発表された。
昨年5月、カンヌ、東京、新潟と3都市同時中継記者会見で開催が報じられた同映画祭は、長編商業アニメーションにスポットを当てた、長編アニメーション映画のコンペティション部門をもつアジア最大の祭典として、新潟から世界へアニメーション文化を発信する催しだ。コンペ部門は、フランス、米国、アルジェリアなど世界15カ国から21作のエントリーがあり、選考委員による厳正な審査により10本の作品が選出された。
第1回コンペ部門の見どころについて、プログラミング・ディレクターの数土直志は「世界のアニメーションの潮流を体現する良質な作品が多数集まりました。映画祭が参加者のあらゆる意味で刺激する場になることは間違いないでしょう」と期待を込める。また押井守は、記念すべき第1回目の審査委員長として「この映画祭は長編映画に絞ったコンペティションということで、大作過ぎずアート寄り過ぎず、これまで受け皿がなかった作品にスポットライトがあたることを期待しています」とコメントを寄せている。
また、本映画祭の特徴として、毎年、アニメーションの技術職のスタッフ、そして企業・スタジオを選出し、その業績を映画祭にて顕彰する「大川=蕗谷賞」が創設された。大川博氏は1957年に当時、東洋最大といわれる東映動画スタジオを立ち上げ、また日本初の長編フルカラーアニメーション映画である「白蛇伝」を制作、蕗谷虹児氏は本作に先立つ日本初のフルカラー短編アニメーション「夢見童子」の監督・構成・アニメーターを務めたことで知られる。
第2次大戦後の日本のアニメーション文化の立上げに大きな役割を果たし、新潟出身でもある二人の名を冠した同賞。若手を含むスタッフの直近の成果、また制作現場の幅広い職種での活躍にスポットを当て、作り手の方々を顕彰することで、アニメーションの文化の発展・振興への貢献を目指すことにも注目が集まっている。
第1回新潟国際アニメーション映画祭は、3月17日(金)~22日(水)開催。映画祭の情報はhttps://niaff.netで随時発表される。
英題:Khamsa - the Well of Oblivion
監督:Vynom アルジェリア/2022年/77分
英題・:Oink
監督:Mascha Halberstad オランダ/2022年/72分
英題:Littile Nicolas Happy as can be
監督:Amandine Fredon, Benjamin Massoubre フランス/2022年/86分
英題:Even Mice Belong in Heaven
監督:Denisa Grimmova & Jan Bubenicek
チェコ、フランス、ポーランド、スロバキア/2021年/88分
英題:Opal
監督:Alan Bidard マルティニーク、フランス/2021年/85分
英題:Blind Willow, Sleeping Woman
監督:Pierre Foldes フランス、カナダ、オランダ、ルクセンブルク/2022年/110分
英題:Thee Wreckers Tetralogy
監督:Rosto オランダ、フランス、日本/2020年/44分
英題:Unicorn Wars
監督:Alberto Vazque スペイン、フランス、日本/2022年/80分
英題:When You Get To The Forest
監督:Eric Power 米国/2021年/73分
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