Netflixの広告つきプラン、開始1カ月の状況は…
2022年12月23日 23:00
動画配信サービス大手のNetflixが広告つきプランを開始してから1カ月が経過したが、同プランの加入者はまだまだ少数のようだ。
Netflixは、加入者数の減少と株価の下落を受け11月4日(日本時間)から世界12カ国で広告つきの低価格プラン「広告つきベーシック」を導入。日本では月額790円、米国では月額6.99ドルという価格設定になっている。
米IndieWireによれば、サブスクリプション分析会社Antennaの調査で、米国での11月の新規加入者のうち広告つきベーシックを選択したのは9%にとどまったという。広告つきベーシックの利用者のうち、57%が新規の加入者で、43%は既存プランからのダウングレードだという。Antennaは、米国におけるNetflixの全加入者数の約0.2%が広告つきベーシックを利用していると推定している。
Antennaの調査は、銀行口座記録や請求書、オンライン購入などの取引を通じて消費者から情報を収集するサードパーティ・サービスから集計したデータに基づくもの。Netflixの広報は、ウォールストリートジャーナルに対し、Antennaの数字には不正確な点があると主張し、「広告つきプランはまだ始まったばかりですが、その立ち上げと取り組みに満足していますし、Netflixと提携したいという広告主の熱意にも満足しています」とコメントしている。
米国では、動画配信サービスにおける広告つきプランの成功例もあり、HBO Maxでは加入者の21%、Huluでは57%、NBCユニバーサルのPeacockでは90%が広告付きプランを利用しているとみられる。ディズニープラスも12月8日(現地時間)に広告なしプランの値上げとともに。月額7.99ドルの広告つきプランを開始している。
初期のNetflixはCM再生がなく、自宅で作品を中断せずに視聴できることを最大の売り物にしていた。事業の成長に伴い、加入者数よりも利益が重視されるようになったことによる大きな方向転換だが、今後定着するのか動向から目が離せない。