「Dr.コトー診療所」日本最西端・与那国島で感謝の凱旋プレミア 吉岡秀隆「ただいま!」
2022年11月22日 08:00
山田貴敏氏の人気コミックを原作に、2003年と2006年に放送された名作ドラマの劇場版「Dr.コトー診療所」の世界最速上映会が11月21日に行われ、吉岡秀隆、柴咲コウ、中江功監督が出席。物語の舞台である志木那島のロケ地となった、日本最西端・与那国島での凱旋プレミアとなった。
へき地の離島を舞台に、東京から赴任してきた外科医“Dr.コトー”こと五島健助と島の人々との関わり合いを通して命の尊さを描く「Dr.コトー診療所」。映画では吉岡が16年ぶりに“コトー先生”を演じるほか、柴咲コウが診療所の看護師でコトーと結婚して妊娠7カ月の後藤(旧姓・星野)彩佳に扮する。
まず吉岡らが訪れたのは、ドラマ第1シリーズの撮影の際に建てられ、今もなおそこに佇んでいる与那国島・比川集落にある志木那島診療所。放送が終わって16年経った今もなお、毎年“コトー”ファンが訪れるという聖地であり、与那国島の観光名所となっている。
夕日がきれいに差し込む診療所へやってきた吉岡と柴咲は「まだ撮り残したシーンあったかな?という気がしてしまいます」(吉岡)、「与那国島には役である彩佳としてしか来ていなかったので、そうではない状態で今ここに立っている自分が本当に不思議でなりません」(柴咲)とコメント。そんな発言に対して「撮り残したシーンはないかなと今考えてるんですが、2人いるんだったらリテイクできるなと思いました(笑)」と中江監督が話すと、吉岡、柴咲は「本当にやりかねないからやめてください!」と切り返した。
吉岡「20年経っても島の人がこの診療所をずっと守っていてくれてたんだなと感じて、とてもうれしいです」
柴咲「島の方はもちろんのことファンの方、作品を愛する方々に見守られて、ずっと残ってきたんだと思うと感慨深いですし、今回は集大成ということで、もしかしたらこんな風に診療所を見ることもないのかなと思うとちょっと寂しいです」
その後、与那国島総合センターにて、凱旋プレミア上映会を実施。映画館の無い与那国島。長年撮影に協力した与那国島と島民への感謝の意味を込めて、離島総合センターという体育館に特設スクリーンを設置して上映会を行うことになった。会場には約200人の観客が集結。大きなスクリーンに与那国島の景色が映し出され、エキストラで同じ島の知人が映っているのを話しながら映画を楽しむ様子も。さらに後半になるにつれ、会場からは鼻をすする音、涙をぬぐう島民の姿も見受けられた。
舞台挨拶に登壇した吉岡は「ただいま! およそ20年間、島の人たちの支えがいなかったらこの作品は本当にできていませんでした。20年間の感謝の想いでこの映画が完成したと思います。何よりも皆さんに一番最初に観ていただきたいとずっと思いながら撮影してきました」と与那国島と島民への感謝の気持ちを伝える。
柴咲は「みなさん元気でしたか? 皆さんが受け入れてくださって、そしてこのドラマが作ることができて、それが全国の皆さんにも受け入れられてもらえました。皆さんの人生も同じかと思いますが、時が流れると出会いもあれば別れもあり、この作品もそういう人生を一生懸命積み重ねたからこそ素敵だと思えるんじゃないかと思います。みなさんの今までの生活や流れてきた時間を重ね合わせて、観てもらえたら嬉しいです」と挨拶していた。
吉岡いわく、舞台挨拶の会場となった離島総合センターは、ドラマシリーズで印象深いエピソードである「原剛洋(富岡涼)の船上手術のオペシーン」のリハーサルを実施した場所だったという。そんな撮影秘話に会場からは驚きの声。その後、島民からの質問・感想を受けつけるティーチインでは、03年のドラマ撮影当時、吉岡が出演しているシーンで参加していたという女性から「ドラマ当時に吉岡さんが『お疲れ様でした!』と撮影後に直接ご挨拶してくれて、それからずっとファンです。そして皆様が与那国島の美しい風景を映してくださってこの島の良さをたくさんの人に届けてくれて本当に嬉しいです。ありがとうございます」と感想を述べた。
すると、吉岡は「エンディングのシーン含めて空撮のシーンを今はドローンで撮影できるんですが、当時はヘリでその風景含めて撮影していたので本当に大変でした。監督が一番に伝えたかったことなので、それが伝わってくれたらうれしいです」と振り返る。
さらに会場に母親ともに来場していた男の子は「お父さんが柴咲さんのこと好きで、どうしてそんなにキラキラしてるんですか?」と質問。「彩佳という役を通してたくさんの経験をさせてもらっているのでキラキラしているんだと思います」と答えた柴咲。イベントは、終始和やかな雰囲気に包まれていた。
映画「Dr.コトー診療所」は、12月16日から全国東宝系で公開予定。
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