TIFFティーンズ映画教室の歴代講師がトーク、大九明子監督も感動「エネルギーがある」
2022年10月31日 13:00

第35回東京国際映画祭のユース部門「TIFFティーンズ映画教室」のスペシャルトークショーが10月30日に開催された。2017年にスタートした子どもたちによる映画製作のワークショップで、歴代の特別講師を務めた諏訪敦彦、大九明子、三宅唱、瀬田なつき、早川千絵の5人の監督が出席した。
初回の講師を担当した諏訪監督は、その際に製作された「1人ぼっちBOX」を観賞し「けっこうな超大作だね」と満足げ。「試行錯誤だったけれど、プリプロダクション、撮影、ポストプロダクションと順番を経ることをできるだけ崩そうとした。撮影をしながら考えるプロセスにした。そのプロセスは苦しいけれど、非常にクリエイティブだった」と満足げに振り返った。
翌18年の大九監督は、「もう想を爆発させよう」というお題を提供。4作品を製作した中で、思春期の微妙な三角関係を描いた「15の夏」を上映し、「青春真っただ中の子どもたちが青春映画を撮っている。シンプルに観客として心を動かされたものを選んだ。面白かったですよね」と自賛した。
20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、初めてリモートでの開催。担当した三宅監督は「Zoomやオンラインにはたいして興味がなくて、一切関わらないと決めていた」という。それでも、「完成しないことも含めて経験としていいのかな」と参加。マンション内での騒音をテーマにした「某マンションとほんの小さな音楽について」を完成させ、「離れ離れのはずなのに同じマンション(で撮影したよう)に見えてくる。こんなに面白かったのか」と改めて感心した。
21年も同様にリモート開催で、紙ひこうきに書いたメッセージがそれぞれの気持ちをつなぐという、オーストラリアなど海外の子どもたちも参加した「紙ひこうき」を上映。瀬田監督は「マスクをしなくていいから、登場人物の表情を見ていて開放的だったと思う」と評した。
大九監督は、「きちんと毎年作られているのがすごい。脈々と映画の新しい風、時代が入ってきて、エネルギーがあることにとても感動しました。関わった皆さんにとっても将来に向けた経験と思い出になる。続けましょう、TIFFという感じです」と講評。今年の講師だった早川監督は、「どれもジェラシーを感じるくらい素晴らしい。ビギナーではなく、同じ映画を作る者として見てしまった」と感嘆した。
第35回東京国際映画祭は、11月2日まで開催される。
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