「未来惑星ザルドス」作品内容の理解を促すプロローグ100秒が期間限定公開
2022年10月21日 18:00

初公開から約半世紀を経て11月4日から公開される、ジョン・ブアマン監督、ショーン・コネリー主演によるSF映画史上屈指の問題作「未来惑星ザルドス」。同作のプロローグ100秒が、11月3日まで期間限定公開されている。
2293年、人類は不老不死の社会を実現した。永遠の命を持つ特権階級のエターナルズは、荒廃した外界から隔絶された透明ドームの中で優雅な暮らしを送っている。彼らは空飛ぶ巨大神像ザルドスを建立し、それを神と崇める撲滅戦士・エクスターミネーターズを操って、外界で暮らす獣人・ブルータルズの搾取と殺戮を続けていた。ある日、エクスターミネーターズのリーダーであるゼッドが、ザルドスの中に身を隠してドーム内に潜入する。
ブアマン監督脚本を書き上げた時点で“過激”な内容になった本作は、完成後も過激=非常に難解なものとなり、20世紀フォックス社の首脳陣は頭を抱えたという。今回公開されたこのプロローグは、このフォックス側の反応を受け、冒頭に作品内容の理解を促すために付けられたもの。
登場人物の一人、アーサー・フレイン(ナイオール・バギー)が、あたかも魔術ショーの司会者が観客に語りかける口上のような演出で、青い頭巾を被り、鼻の下にはマジックで書いたようなちょびヒゲ、アゴにも謎の文様を記したアーサーが、怪しい微笑を浮かべ、暗闇の中を漂いながら語り始める。
アーサーは自身が“ザルドス”であると語り、“不死”の存在で「偽の神を演じている」と語る。そして“狂言回し”である自分は、観客を楽しませるただの“道具”だと明かす。そして観客に向かい「諸君だって誰かに造られたんだ。土のちりからだよ」と問いかけ、そこに“神”の存在をほのめかしてプロローグは締め括られる。作品否定派からは駄作、意味不明と言われ続けている本作だが、このプロローグで語られることの意味を考えながら鑑賞すれば、ブアマンが作品に込めたテーマや真の意図が、より理解しやすくなるに違いない。
11月4日からシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。
(C)1974 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPOLATION
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