永野芽郁、親友・奈緒と作り上げた「マイ・ブロークン・マリコ」完成に涙 「鼻水垂らしながら頑張ろう」と約束
2022年8月23日 20:36
タナダユキ監督が、平庫ワカ氏の人気コミックを映画化する「マイ・ブロークン・マリコ」の完成報告試写会が、8月23日に東京・イイノホールで開催され、永野芽郁、奈緒、タナダ監督が登壇した。永野は、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」(2018)で共演し、2度目の親友役を演じた奈緒とともに作り上げた本作の完成に感極まり、涙を浮かべた。
物語は、鬱屈した日々を送るOL・シイノトモヨ(永野)が、テレビのニュースで親友・イカガワマリコ(奈緒)の死を知ることから始まる。学生時代から父(尾美としのり)に虐待を受けていたマリコの魂を救うため、「刺し違えたってマリコの遺骨はあたしが連れて行く!」と誓い、マリコの実家から遺骨を強奪したシイノは、そのまま旅に出ることに。マリコの遺骨を抱き、彼女との思い出を胸に、シイノが向かった先は――。
タナダ監督は、ふたりを起用した理由について、「まずお芝居がすごい人じゃないと、お話にならないと思っていました。プロデューサーと話をするなかで、芽郁ちゃんの名前があがって。原作の主人公の設定よりも、芽郁ちゃんの実年齢が若いこともあって、『やってくれるのかな? やってくれたらすごいな』と思っていました。マリコは、シイノの原動力になりうるお芝居ができる力でなければダメなので、その力を借りられる人として、奈緒ちゃんが浮かびました。そのときは、プライベートでも仲が良いっていうのは知らなかったんです」と明かす。その言葉に、永野は「嘘?」と驚き、奈緒は「そうなんだって」とうなずき、ふたりは改めて、運命的なキャスティングに思いを馳せていた。
そんなタナダ監督の熱いオファーを受けたふたり。永野は、「『やりたいけどやりたくない』というのが、第一印象でした。原作を読んだ方なら分かると思いますが、とてつもない漫画なんです。すごく衝撃を受けるし、漫画の絵が動いているように見えて、セリフを話している人の目が見えて、漫画が映画に見える瞬間がすごくあって。これだけ漫画で成立しているものを映画にして、私がシイノをやったら、原作ファンの方は『何で?』と思うだろうし、その期待にこたえられる自信がなかったんです。シイノをやるには表現力も技術も足りていないんじゃないかと思ったんですが、漫画も脚本も良過ぎて、『他の人にやられるのも悔しい』と同時に思ったんです」と語る。
対する奈緒は、「オファーを頂いてから原作を読ませて頂いて、そのときに『シイノ役を永野さんにお願いしてます』というお話を聞いていて、『芽郁ちゃんとまた作品ができるかも』という思いもありました」と述懐。「原作を読んで、『絶対に伝えなければならない作品だ』と思いました。このすごい作品を、すごいパワーと熱量と愛をもって、タナダ監督が作り上げる組に、芽郁ちゃんが座長として参加していて、『この船に飛び込みたい』と思いました。自分のなかでは、自ら命を絶ってしまう役を避けて通ってきたのですが、向き合ってみたいと思ったのは、この頼もしいおふたりがいらっしゃって、原作のパワーがあったからですね」と感慨深げな様子だった。
永野と奈緒は、一緒に完成した作品を鑑賞したという。永野は「撮影期間中は、永野芽郁としていた時間がすごく少なくて、シイノという人がマリコを思って突き動かされている、という日々をずっと過ごしていました。初めて客観的に作品を見て、『すっごい映画に出たんだな、私』と初めて自信をもらえて、『大事な作品だな』と改めて思いました」としみじみ。そんな永野の隣で、奈緒は序盤から涙が止まらなかったそう。永野が「(一緒に号泣する)私たちを見て、周りもひいてたよね?」と笑い交じりに語りかけると、奈緒は「ひいてたと思う(笑)。クランクインの前にふたりで会ったときに、『私たち、この作品では、鼻水も垂らしていいし、顔をぐしゃぐしゃにしていいよね。ふたりで鼻水垂らしながら頑張ろうね』と言ってたんです。まさか試写で、あんなにぐしゃぐしゃになるとは思わなかった(笑)」と振り返っていた。
この日のイベントでは、プライベートでも仲が良いふたりの絆が、互いに交わす視線や笑顔など、随所で伝わってきた。最後に、隣にいる奈緒を見つめた永野は、感情がこみ上げたのか声を震わせ、「私が自信をもって、『絶対に見てほしい』と言える作品ができたことを、誇りに思いますし、そのことを、きっと皆さんが感じてくれると思います」と、心からのメッセージを伝えた。
「マイ・ブロークン・マリコ」は、9月30日から全国公開。
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