メジャースタジオ各社、職員の中絶費用負担を表明 米最高裁の判決を受け
2022年6月28日 15:00

米連邦最高裁が人工妊娠中絶の権利を認めた判例を覆し、州による中絶の禁止や制限を容認する立場を示したことを受け、ディズニーやパラマウント、ソニーをはじめとするハリウッドメジャー各社が、自社職員の中絶費用補助などの支援措置を講じることを表明した。
米最高裁は6月24日(現地時間)、女性が人工妊娠中絶を選ぶ憲法上の権利を認めた歴史的な「ロー対ウェイド判決」(1973)を49年ぶりに覆し、中絶に関わる法規制を各州に委ねる判断を下した。現に全米50州のうちすでに約半数の州で、中絶を全面的に禁止したり、条件を厳格化したりといった法案が可決しつつある。
これを受け、米ウォルト・ディズニーは同日、全職員宛に一斉メールを送信。最高裁による今回の決定が「はかりしれない影響」を及ぼすと認めた上で、「居住地にかかわらず、家族計画や性と生殖に関する健康などにおいて良質かつ手頃な価格のヘルスケアを享受できるよう全面的に支援する」と約束した。また、同社がウォルト・ディズニー・ワールドを構える米フロリダ州で、ロン・デサンティス知事がすでに州内での中絶禁止を法令化する動きを見せていることから、「居住地で中絶が受けられない職員には、他州に行く際の旅費を負担する」とも宣言している。
米ストリーミング大手Netflixは、がんと臓器移植、性転換、中絶の手術を受ける職員に対して、最大1万ドル(約135万円)の旅費を提供。ワーナー・ブラザース、パラマウント・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズも同様に、中絶処置を受けるために他州に行かなければならない職員の経済的な負担を軽減するため、医療補助を拡大すると表明している。
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