生理、避妊、中絶、育児に産後うつ…タブー視される女性の心身のリアルを描く、軽やかで優しいSXSW受賞作「セイント・フランシス」8月19日公開
2022年3月15日 13:00

タブー視されることの多かった、女性の生理、避妊、中絶、妊娠、産後うつに育児ストレスなど、その身体にのしかかる様々な負担や精神的プレッシャー、セクシュアルマイノリティの人々が直面する社会的な差別といったリアルをユーモアと軽やかさをもって描き、SXSWフィルムフェスティバル2019で観客賞と審査員特別賞受賞を受賞した「Saint Frances」が、「セイント・フランシス」の邦題で8月19日公開される。
34歳で独身、大学も1年で中退し、レストランの給仕として働くブリジットは夏のナニーの短期仕事を得るのに必死だ。ぱっとしない日々を過ごすブリジット(ケリー・オサリバン)の人生だったが、ナニー先の6歳の少女フランシスや、その両親であるレズビアンカップルとの出会いにより、少しずつ変化の光が差してくる。

グレタ・ガーウィグの「レディ・バード」(17)の女性の描き方に触発され、俳優として多くの脚本を読んで来た経験を生かして自伝的要素を織りこんだ本作のオリジナル脚本の執筆を開始したというケリー・オサリバン。「女性に生理がなかったら地球には誰も存在しないのに、若い頃から生理のことは隠すように教育されている」と語り、世界の女性が毎月向き合う日常の当たり前を公に語ることがタブーとされ、ある部分だけが美化されている現状に疑問を感じ、女性の心身の本音を見せたかったという。
また、大げさなドラマに仕立てられがちな中絶経験も、人によっては淡々と向き合うなど、捉え方はさまざま。社会問題を上手に取りこみながら、大人だからこその苦悩と揺れ動く心情、そして今を生きる人たちの本音をユーモアと感動を交えてナチュラルに伝える。

物語のカギを握る6歳の少女フランシスを演じるのは、本作が俳優デビューとなったラモーナ・エディス・ウィリアムズ。少女フランシスを赤ちゃん扱いせず、一個人として接するレズビアンカップルの両親にチャリン・アルバレスとリリー・モジェク。ブリジットのボーイフレンドでミレニアル世代の考えを代弁するジェイス役にマックス・リプシッツ。今作が長編デビューとなるアレックス・トンプソンが、は私生活のパートナーでもあるケリー・オサリバンたっての願いで監督を引き受けた。
8月19日から、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国公開。
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