ピエル・パオロ・パゾリーニ特集「テオレマ」「王女メディア」予告&町山智浩氏コメント公開
2022年1月14日 15:00

今年3月5日のピエル・パオロ・パゾリーニ生誕100年を記念し、劇場初公開以来ほとんど上映される機会のなかった2作品をデジタルリマスター素材で上映する特集「パゾリーニ・フィルム・スペシャーレ1&2」の予告編、作品の場面写真、映画評論家の町山智浩氏のコメントが公開された。
上映作1本目は、第29回ベネチア国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した「テオレマ 4Kスキャン版」。ブルジョワ一家の前に現れる謎の青年を名優テレンス・スタンプが演じ、青年に翻弄される一家の娘をアンヌ・ビアゼムスキー、母をシルバーナ・マンガーノが演じている。ベネチア映画祭での上映ボイコット騒動や、猥褻罪による裁判沙汰が話題を呼び大ヒットとなった問題作だ。2本目は、伝説的歌手マリア・カラスが主演した「王女メディア」。それまで映画のオファーを一切断り続けていたカラスが出演を承諾した唯一の映画主演作であり、劇中ではその歌を封印し、女優として、報復に燃える神話世界の王女を熱演した貴重な一作。アルベルト・モラビアの妻であり作家のエルサ・モランテが音楽監修を務め、日本の地唄や筝曲が印象的に使われる点も注目だ。
映画監督のみならず、作家、詩人、批評家などさまざまな顔を持ち、1975年に突如この世を去ったイタリアの異才パゾリーニ。フェデリコ・フェリーニ監督「カリビアの夜」(57) やベルナルド・ベルトルッチ監督のデビュー作「殺し」(62)など数多くの脚本を手掛け、61年に「アッカトーネ」で映画監督デビュー。ローマのスラム街から神話世界まで、映画作品における作風は多岐にわたり、ダルデンヌ兄弟やミヒャエル・ハネケ、パブロ・ラライン、ミア・ハンセン=ラブ 、そしてアリーチェ・ロルバケルら巨匠から若き才能まで幅広い映画作家たちを魅了し、没後45年以上の時を経た今もなお影響を与え続けている。
町山氏は「謎の美青年が裕福な経営者一家の全員を男女の区別なく魅惑し……『テオレマ』はテレンス・スタンプの魅力が魔術となった奇跡の映画。夫への嫉妬のために夫との間に生まれた我が子を殺す『王女メディア』は能の『道成寺』のような情念が国境や時代を超える。パゾリーニの脂が乗りきった傑作二本立て!」とコメントを寄せている。
「テオレマ 4Kスキャン版」「王女メディア」は3月4日から、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館にて2作同時ロードショー、順次全国公開。
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