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「実父を軽蔑、義父を屈服させ、実母をネグレクト、義弟とは共依存」 佐津川愛美×筒井真理子「蜜月」予告

2021年12月23日 10:00

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筒井真理子、板尾創路、濱田龍臣、森田想、永瀬正敏らが共演
筒井真理子、板尾創路、濱田龍臣、森田想、永瀬正敏らが共演
(C)2022「蜜月」製作委員会

心を病んだ母親との抑圧された暮らしで歪められた主人公の幼く危うい性を、佐津川愛美主演、榊英雄監督で描く「蜜月」の公開日が、2022年3月25日に決定した。あわせて、予告編と新場面写真5点もお披露目。映像には、愛を求めながら壊れていく家族が映し出されている。

画像2(C)2022「蜜月」製作委員会

MOTHER マザー」など一貫して社会的抑圧や差別を題材にした作品を生み出す脚本家・港岳彦によるオリジナル脚本を、「捨てがたき人々」など社会の片隅で生きる男たちを描いてきた榊監督が、7年越しで映画化。リアルな親としての感情をぶつけ、“家族の愛”という新境地を切り開いた。佐津川は母への愛憎に葛藤し一線を越える17歳、秘密を抱えながらも夫を愛する32歳を通して、主人公・美月の成長を体現。筒井真理子板尾創路濱田龍臣森田想永瀬正敏ら実力派キャストが顔をそろえた。

画像3(C)2022「蜜月」製作委員会

美月は、離婚で心を病んだ母・五十鈴(筒井)の抑圧のなかで、子どもながらに病める母を支え必死に生きてきた。母が新たな伴侶を得て、4人家族となったとき、美月は温かな居場所ができることを期待する。しかし、母は美しい17歳に成長した娘、その「女という性」に対して嫌悪・嫉妬し、激しく抑圧する。美月は母への反抗心から義父・靖男(板尾)に接近し、次第に深みにはまり、ある事件で家族は崩壊する。そして15年の年月が流れ、32歳の美月は優しい陶芸家の夫・哲郎(永瀬)と穏やかに暮らしていた。ある日、義弟・伊織(濱田)が久々に現れて母の死を告げ、やがて封印した秘密が明らかになっていく。

画像4(C)2022「蜜月」製作委員会

予告編は、美月が高校生の頃、家族で食卓を囲む平穏な日常の風景を活写。しかし、距離を縮める美月と靖男の様子を見る五十鈴のただならぬ視線が、何かが起きていることを物語り始め、家族は崩壊の引き金となる決定的な事件へと導かれていく。秘密を共有する美月と靖男。娘につかみかかり、罵声を浴びせる五十鈴。「私が皆をダメにする」と呟く美月に、「帰ろう」と声をかける哲郎。血のつながらない家族、ともに心に闇を抱える夫婦の苦悩が垣間見える映像となった。

映像内に登場するキャッチコピー「きみの心をひとりぼっちにしておけない」は、哲郎が美月にかけた言葉。撮影中、永瀬がふと心に浮かんだ言葉を、榊監督に話したことから生まれた、台本にはないセリフだという。最後は、家族社会学者・永田夏来氏の「実父を軽蔑、義父を屈服させ、実母をネグレクト、義弟とは共依存。美月を演じた佐津川愛美は見どころの一つだ。」というコメントで締めくくられている。

画像5(C)2022「蜜月」製作委員会

場面写真は、焼き物のかけらが散乱するなかで過去に怯える美月と、彼女を抱きしめる哲郎をとらえている。さらに、満開の桜の下を、杖をつきながら歩く険しい表情の五十鈴、伊織がいかに五十鈴の介護で苦労したかを訴える恋人・香澄(森田)、桜をバックに話をする美月と靖男の姿が切り取られている。

蜜月」は、22年3月25日から東京・テアトル新宿ほか全国で公開される。R15+指定。脚本を手がけた港、音楽を担当した和(IZUMI)、撮影の早坂伸のコメントは、以下の通り。


港岳彦
 「蜜月」は、正しくあろうと願いながらあやまちを犯してしまう人びと、つまり加害者たちの物語です。罪を犯すのは(この劇の作者を含め)いつだって男。それなのに佐津川愛美さんが身代わりとなって、重い十字架を背負います。ラスト10分、キリストを殺したものの気持ちを味わいながら、佐津川さんの演技にただ泣きました。
【和(IZUMI)】
 わたしは美月が嫌いだった。思いのままに、周りの人を虜にしていく美月。こんな女がいるから、他の女が迷惑する。全く知らない人の SNS に、匿名で罵倒する人間みたいな心理状態になった。思考じゃなくて感覚で生きている羨ましさ。深層心理にある寂しさを鷲掴みして、その手で誰かを抱きしめていく。あなたはどうなの? 迫ってくる問いかけの波に飲まれそうになりながら、いつのまにか美月のことが忘れられなくなっていた。そんな彼女のストーリーに併走する音楽は、彼女の中に流れてるであろう、ひたすら無機質な音を追いかけてみた。そして本当の愛を受け入れた時に、彼女の音は変わるのではないか。あなたの中にいる「美月」と、この映画でどんな風に出会うのか、楽しみにしています。
早坂伸
 この作品の撮影はシンプルさを心がけました。余計なカメラワークを一切廃し、フィックスメインで佐津川愛美さんをはじめ、演者の芝居に没頭させることを主眼にしました。狂気シーンの長回しは、自分が今まで撮影してきたなかでも最も震え立ちました。港岳彦氏の脚本世界とそれを見事に体現している役者さんたち。撮影者としてはこの上ない至福の時間でした。

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