消えゆく団地で16歳の少年が見つけた思い出と光 若き才能がきらめく「ガガーリン」予告編&ポスター披露
2021年12月1日 20:30
第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション初監督作部門に選出されたフランスの青春映画「GAGARINE ガガーリン」の予告編とポスターが披露された。
メガホンをとったのは、本作が監督長編デビューとなるファニー・リアタールとジェレミー・トルイユ。圧倒的な映像美と世界観、そしてエモーショナルな物語が評価され、第93回米アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表の最終選考に残るなど、世界中のメディアから絶賛された。
舞台はパリ郊外に実在し、宇宙飛行士に由来する名前を持つガガーリン公営住宅。16歳のユーリは、この赤レンガの大規模な団地の名前に導かれるかのように宇宙飛行士を夢見ながら、かつて自分を置いていった母の帰りを信じて待ち続けていた。そんななか、2024年パリ五輪開催のため老朽化したガガーリン団地の解体計画が持ち上がる。ユーリは帰らぬ母との大切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友だちのフサームとディアナと一緒に取り壊しを阻止するために動き出す。
主演は、本作でスクリーンデビューを飾ったアルセニ・バティリ。高い演技力で主人公の揺れる心情を体現し、第17回セビリヤ・ヨーロッパ映画祭ほか各国の映画祭で主演男優賞を受賞した。そのほか若手女優のリナ・クードリ、ドニ・ラバンらが出演する。
映像は、ガガーリン団地の何気ない日常から始まる。仲間と踊ったり、住民らが集まって皆既月食を楽しんだり、ありふれた風景だが幼い頃からこの場所で暮らす彼らにとっては青春であり、全てだった。しかし、次のシーンでは警報とともに地下から煙が噴き出し、老朽化が進んだ団地は解体が決定。住民は退去を勧告される。
映像には「アメリカに行きたい」と語るディアナに「夢はある?」と問われたユーリが、自分の“夢”を実現するために、彼なりの方法で団地の解体阻止に向けて動き出す姿が収められている。壊れゆく団地の中で、プラネタリウムを作り上げ、廊下をバイクで駆け巡るユーリ。ラストは団地の窓から謎の閃光が放たれ、その先の物語に期待が高まる。
ポスターは、宇宙飛行士を夢見るユーリが月を見上げる姿を写したもの。夕暮れに一瞬だけ訪れるマジックアワーを切り取ったような、グラデーションが美しいビジュアルとなっている。
「GAGARINE ガガーリン」は2022年2月25日から、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。
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