「骨身を削る思いでジャングルと格闘」小野田寛郎さん演じた津田寛治、遠藤雄弥ら「ONODA」公開に喜び
2021年10月8日 19:12

1974年3月、終戦後約30年の時を経て帰還した小野田寛郎氏の実話を基に、フランス人監督アルチュール・アラリが映画化した「ONODA 一万夜を越えて」の初日舞台挨拶が10月8日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、ダブル主演を務めた遠藤雄弥と津田寛治、共演の仲野太賀、井之脇海、イッセー尾形が登壇した。
第74回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」オープニング作品に選出された本作は、終戦後も任務解除の命令を受けられないまま、フィリピン・ルバング島にて約30年間を過酷なジャングルの中で過ごした小野田とその仲間のサバイバル生活を描く。遠藤と津田が小野田の青年期と壮年期をそれぞれ演じ、カンボジアの地で約4カ月の撮影に挑んだ。
ジャングルで孤独な戦いを続けた成年期の小野田を演じた津田は、「俳優、スタッフが骨身を削る思いでジャングルと格闘し、エキセントリックで情熱的な監督の世界観を具現化した。見どころは若手俳優陣の格闘技のような競演、そして(仲野)太賀くんの目の演技」と見どころを語る。劇中で小野田を見つけたバックパッカーを演じた仲野は「今までの日本の戦争映画とはひと味ふた味も違う体験ができる」。小野田に命令を下した上官を演じた尾形は、「皆さんの覚悟を裏切らない映画。3時間ですが体感1時間くらいです」とアピールした。
自ら選んだ人生ではなく、戦時中に命令を受けたことで、ジャングルで暮らすことになった主人公小野田の境遇から「もし俳優にならなかったら?」という質問を投げかけられた俳優陣。「俳優を選んでいなければ苦労のない人生だったと思う。その苦労や考えることが自分の人生の豊かさにつながっていると思う、小野田さんの30年の壮絶な時間も、孤独や仲間の死があった中で、人生の豊かさにつながっていたのかなと。僕は俳優でなければ、プロレスラーになりたかったです。武藤敬司さんに憧れていて、プロレスを見ていた時間がアクションの芝居に生かされていると思う」と遠藤。
津田は、「小野田さんは命令があったから行って戻ってきた。しかし、自ら望んでジャングルに入り、自分がいたい時間だけいて、それだけしっかりした意思を持った方だとも捉えられる」と持論を述べる。そして、「僕はもともと俳優になりたかったわけではないけれど、人に押し付けられず、自分の好きなことをやっていたと思う。子どもの頃は漫画を描いていました。友達に頼まれて連載漫画を描くのが人生のベスト5に入る位楽しくて、漫画家を命がけで目指していた。でも、外に行く仕事がしたかったので、俳優でいろんな場所にロケに行けるのが幸せ」と語る。
同じ質問を受けた尾形は、「絶対、宮大工になりたい」と即答。「壊れそうな名もない寺を直したい。カンナが好き。『俺の仕事は100年先を見てくれ』。そうありたい。建物を建てることは映画を作ることにも通ずるかなと」と例え、共演者たちをうならせた。
新型コロナウイルス対策の影響で来日が叶わなかったアラリ監督は、ビデオメッセージで日本のスタッフ、俳優陣に謝辞を述べ、フランス産のワインを贈った。
(C)2021映画「ONODA」フィルム・パートナー(CHIPANGU、朝日新聞社、ロウタス)
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