女性たちの涙の連帯でベトナム戦争の記憶に迫るドキュメンタリー「記憶の戦争」11月公開
2021年8月5日 12:00

「きらめく拍手の音」のイギル・ボラ監督が、ベトナム戦争時の韓国軍によるベトナム民間人虐殺の記憶について切り込んだドキュメンタリー映画「記憶の戦争」が、11月から公開されることが決定。あわせて、ポスタービジュアル、原一男監督、伊藤詩織氏、安田菜津紀氏によるコメントが披露された。
韓国芸術総合学校でドキュメンタリー制作を学んだイギル・ボラ監督。「きらめく拍手の音」では、耳の聞こえない両親の日常を、近親者ならではの親密な距離感で切り取ってみせた。全員女性の制作陣とともに製作した新作「記憶の戦争」では、“ベトナム民間人虐殺”の記憶について、当事者たちの生々しい証言の数々を記録している。
(C)2018 Whale Film
(C)2018 Whale Film2018年4月、とある市民平和法廷がソウルで開かれた。法廷に立つのは、ベトナム人女性のグエン・ティ・タン。彼女は“フォンニィ・フォンニャットの虐殺”の生存者だ。8歳の時に韓国軍に家族を殺され孤児となった彼女は、その記憶を思い出して、涙を浮かべる。
あの日、一体何が起こったのか――。あの日の出来事を目撃したディン・コムは、身振り手振りを交えて当時を再現する。あの日の後遺症で視力を失ったグエン・ラップは、これまで語ることのなかった記憶を絞り出すように語る。一方で、“参戦勇士”と称された韓国軍人たちは「我々は、良民は殺していない」と主張する。
「記憶の戦争」は、11月から東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開。コメントは、以下の通り。
日本から差別、占領・統治されていた韓国。
その韓国軍兵士達が、ベトナムの村で虐殺を行った。
日本は、韓国を始めアジアを侵略したが、アメリカから原爆を落とされた。
加害と被害のアンビヴァレンツを併せ持つヒトという、厄介な生き物。
この超難問からは、誰も逃れることはできない!
8歳の記憶、あなたは何を覚えているだろう。
お気に入りのワンピースを着て行ったディズニーランドで見たパレードの光、友達と蝉取りに夢中になっていたあの日。私の中にはその記憶が8歳当時のものだったのか不確かなままのものが浮かぶ。
しかし、タンおばさんの記憶は今でも鮮明だ。彼女はその記憶を1日も忘れたことはない。
それは、彼女自身が生きる意味を問い続けてきた記憶だから。
生きてその記憶を伝えてくれたタンおばさんに感謝する。
「自分たちに責任はない」「むしろ現地の発展のために貢献した」
…聞き覚えのある言葉ばかりが飛び交った。
暴力は地続きで、凄惨な虐殺も加害の否認も、日本軍の時代から連鎖しているのだろう。
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