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男の子のふりをする、みずみずしくもスリリングな挑戦 「燃ゆる女の肖像」セリーヌ・シアマ監督作「トムボーイ」予告編

2021年7月30日 12:00

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第61回ベルリン国際映画祭のテディ賞審査員特別賞を受賞
第61回ベルリン国際映画祭のテディ賞審査員特別賞を受賞
(C)Hold-Up Films & Productions/ Lilies Films / Arte France Cinema 2011

燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマ監督が2011年に製作し、第61回ベルリン国際映画祭のテディ賞審査員特別賞に輝いた「トムボーイ」の予告編が披露された。引っ越し先で出会った新しい友人たちの前で、男の子のふりをする10歳の主人公が、みずみずしくもスリリングに活写されている。

本作は、高い評価を得た「水の中のつぼみ」に続く、シアマ監督の長編第2作。ベルリン国際映画祭でプレミア上映されると、「思いがけない笑いと涙を誘われる。忘れがたい場面でいっぱい」(The Hollywood News)、「アイデンティティーの探求とその落とし穴を描いたエポックな作品」(Los Angeles Times)など絶賛を浴びた。その後も第14回ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭、第2回オデッサ国際映画祭などの主要賞を獲得。低予算のインディペンデント作品ながら、フランスでの劇場公開時には30万人を動員するヒットを記録した。

画像2(C)Hold-Up Films & Productions/ Lilies Films / Arte France Cinema 2011

物語の主人公は、新しい街で「ミカエル」と名乗り、男の子として過ごそうとするロール(ゾエ・エラン)。予告編には、ロールが同年代のリザ(ジャンヌ・ディソン)に導かれ、新たな仲間たちに迎えられる様子が映し出される。夏休みの間、新しい仲間と過ごす新しい自分――。ロールはサッカーや海での遊びを楽しんだり、妹ジャンヌ(マロン・レバナ)の協力のもと襟足を整えたり、ミカエルとして過ごすことに余念がなかったが、そんな日々も長くは続かない。母から「みんなに男の子だと言っていたの?」と問いつめられるシーンも切り取られ、ロールのひと夏の挑戦の行方が気になる仕上がりだ。

画像3(C)Hold-Up Films & Productions/ Lilies Films / Arte France Cinema 2011

燃ゆる女の肖像」で第72回カンヌ国際映画祭の脚本賞、クィア・パルム賞を受賞したシアマ監督は、「女の子が男の子になりすますという物語は、長いこと私の頭のなかにありました」と、構想を明かす。さらに「映画のもたらす複雑な感情の部分と対照的に、太陽を感じさせるような作品を作りたいと思っていた」と語る通り、映像には太陽の光が差す、眩しいシーンの数々がおさめられている。

トムボーイ」は、9月17日から東京・新宿シネマカリテほかで公開。

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