きわどい性表現で放送禁止の楽曲がモチーフ 伝説の問題作「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」4K完全無修正版公開
2021年2月23日 10:00

今年没後30年を迎え、作曲家・作詞家・歌手・俳優・映画監督・小説家など多彩に活躍したフランスの才人、セルジュ・ゲンズブール初の映画監督作「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」の4K完全無修正版が、5月に公開される。
1969年にリリースされたゲンズブールの代表曲をモチーフに、ゲンズブール本人が初めてメガホンを取り映画化した作品。歌手、女優、そしてファッションアイコンとして、今なおカリスマ的人気を誇るジェーン・バーキンとのデュエットソングである楽曲は、性行為を思わせる歌詞で、歌中には喘ぎ声が収録された。そのあまりにも官能的な内容は物議を醸し、当時のローマ法王が激怒。ヨーロッパのほとんどで放送禁止となった。それにも関わらず、イギリスでは外国語楽曲として初のシングル・チャート1位を記録。本国フランス、日本を含め、世界的に大ヒットした。
映画はアメリカの田舎を彷彿とさせながらも、どことはわからない文明社会のゴミ捨て場が舞台。マイノリティが虐げられ、暴力が蔓延する社会で、愛なしには生きることができない人々を描き、随所に「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」のインストゥルメンタル版を使用し、愛の素晴らしさを映し出す。主人公のジョニーを演じるのはバーキン、寡黙ながら知的なクラスキーを演じるのは、ポップ・アートの旗手アンディ・ウォーホルに見出だされた美男スター、ジョー・ダレッサンドロ。
1975年の公開時、フランソワ・トリュフォーからは絶賛されるも、当時ロングヘアのイメージだったジェーン・バーキンが本作では短髪となったことはあまりに衝撃が大きく「ゲンズブールはバーキンをゴミ箱へ入れた」と酷評。また赤裸々な同性愛の描写も理解されなかった。イギリスなどでは性表現のきわどさから上映禁止。日本でもすぐには公開されず、1983年に性的なシーンを修正の上、英語版で公開された。
一方で1995年のリバイバル上映時にはやはり修正が加えられたものの、大ヒットを記録。上映されるたびに多くのファンに賞賛されてきた伝説の傑作が、約46年を経て、ゲンズブール没後30年となる今年、4K完全無修正版で鮮やかに美しくよみがえる。なお95年のリバイバル上映時と同様、 寺尾次郎氏による日本語字幕での上映となる。
「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」は、5月から東京・新宿 K's cinemaほか全国順次公開。
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