【「レンブラントは誰の手に」評論】「レンブラントのお引っ越し」+「レンブラントは本物か?」+「レンブラントは誰の手に」
2021年2月13日 10:00

この映画の原題(英語題)は「My Rembrandt」です。 つまり「私のレンブラント」。レンブラント所有者が何人かと、レンブラントの取引を仲介する画商らが主要な登場人物です。
最初に登場するのは、スコットランドの古城に住む伯爵です。数多くの絵画を各部屋に飾っていますが、お気に入りのレンブラントを掛けている場所が、今ひとつしっくり来ていない。彼は、城の中で、よりレンブラントに相応しい場所を探そうとします。題するなら「レンブラントのお引っ越し」という感じ。
次に登場するのは、ヤン・シックス11世という若き画商。彼は、オークションで格安で落札した無署名の絵画が、レンブラントの作品だと踏んでいます。なんと彼の祖先は、レンブラント本人に肖像画を発注した歴史があり、彼はその絵とともに暮らしてきました。だから、鼻が効く。しかし、絵をちゃんと鑑定し、本物のお墨付きを得ないことには価値が上がりません。各方面の権威が集まって、鑑定が始まります。題して「レンブラントは本物か?」
そして、自宅の寝室に2枚のレンブラントを飾り、毎日愛でていた大富豪も登場します。彼は、遺産相続にあたって、莫大な相続税を支払わなくてはならなくなり、泣く泣くこの2枚のレンブラントを売却することにしました。その金額たるや、200億円。ルーブル美術館とアムステルダム国立美術館が争奪戦を繰り広げます。しかし、両者ともに予算オーバー。さあどうする? これが「レンブラントは誰の手に」。この映画の邦題は、このストーリーに由来するものでしょう。
もうひとつ「レンブラントにキスした男」の話もありますが、そこはあんまり記憶に残りません。
以上、レンブラントを所有する者に関するオムニバス映画のような、実に贅沢な作品です。レンブラントの創作の特徴や秘密、レンブラント絵画の市場での価値、オランダにおけるレンブラント作品の意義。
私はこの映画を見て、レンブラント作品に関する認識が激変しました。次にレンブラントを鑑賞する機会が、楽しみで仕方ありません。
関連ニュース
「手に魂を込め、歩いてみれば」あらすじ・概要・評論まとめ ~普通の「カメラ女子」が「戦場カメラマン」に転身。ガザの詩情を感じる写真が見どころ~【おすすめの注目映画】
2025年12月11日 09:30
映画.com注目特集をチェック
“愛と性”を語ることは、“生きる”を語ること
【今年最後に観るべき邦画】なじみの娼婦、偶然出会った女子大生との情事。乾いた日常に強烈な一滴を。
提供:ハピネットファントム・スタジオ
アバター ファイヤー・アンド・アッシュ
【シリーズ完全初見で最新作を観たら…】「こんなに面白かったのか!!」「歴史を変える傑作」「号泣」
提供:ディズニー
「アバターF&A」「楓」「ズートピア2」など超注目映画を“500円”で観よう!
【正直、使わないとめっっっっちゃ損】絶対に読んでから観に行って!!!!!!!
提供:KDDI
楓
【今年最大級に切なく、涙が流れた】双子の弟が亡くなった。僕は、弟の恋人のために“弟のフリ”をした
提供:アスミック・エース
ズートピア2
【最速レビュー】「最高の続編」「2025年頑張ったご褒美みたいな映画」「メロすぎる」「全員みて」
提供:ディズニー
SNSで大炎上中…
【非難殺到】「絶対に許すな」「町ごと滅べ」些細なケンカが…まさかの大事件へ
提供:ハピネットファントム・スタジオ