【「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」評論】骨太ドラマと大アクションの融合、丁寧な作劇で登場人物の心情に寄りそう
2020年10月23日 17:00

昨年放送された「鬼滅の刃」テレビシリーズが広く支持された理由のひとつに、作劇が丁寧だったことが挙げられると思う。テレビシリーズの序盤、家族を鬼に殺され妹を鬼に変えられた炭治郎は、鬼殺隊に入るための修行に愚直にとりくむ。映像化のさい尺の都合で省かれがちなところも丁寧に描いた積み重ねが、シリーズ後半で大きな効果を発揮した。
原作コミック約1.5冊分(7~8巻)のエピソードを映像化した劇場版でも、汽車という限定された舞台のなか、夢のギミックを使うことで登場人物たちの心情を細やかに描いている。鬼殺隊の当主が剣士たちの眠る墓地を歩くオリジナルのシーンを冒頭に入れたことも、単独の映画として成立させる大きな役割をはたしているように感じた。
本作のキーマン“煉獄さん”こと煉獄杏寿郎は、柱(はしら)と呼ばれる鬼殺隊トップ9人に選ばれた凄腕剣士。最初は、とっつきにくい我が道をいく人物に見えるが、柱になったの頃の回想が入ることで、過酷な戦いに身を投じる彼の信念と情熱が浮かびあがる。キャラクターが抱えるドラマとの相乗効果で、大迫力のバトルはよりエモーショナルなものとなり、キャスト陣の声が枯れるほどの熱演も相まって、後半はスクリーンに“全集中”させられたまま一気に駆け抜けていく。
ufotableがこれまで積み上げてきたアニメーションの細部へのこだわりが、さり気なく施されているところも大きな見どころ。テレビシリーズで目を引いたフレッシュな映像表現「水の呼吸」に続いて、劇場版では煉獄の「炎の呼吸」が登場する。錦絵を参考に作画と3DCGのハイブリッドで絢爛豪華に描かれた大アクションには、とがった映像によくある見辛さはまったくない。エンターテインメントに徹した裾野の広い映像化でありつつも、線を均一にするのが標準のアニメに強弱のある漫画タッチの描線をとりいれ、炭治郎の隊服の市松模様も省略せず手描きで描かれている。
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