沢田研二×菅田将暉「キネマの神様」 映画を愛し続けた男の人生を写したキャラクタービジュアル

2020年10月9日 07:00


故志村けんさんの遺志を継いだ沢田研二、菅田将暉が主演
故志村けんさんの遺志を継いだ沢田研二、菅田将暉が主演

沢田研二菅田将暉が主演を務める、山田洋次監督の最新作「キネマの神様」のキャラクタービジュアルがお披露目された。映画に情熱を注ぐ主人公・ゴウを演じた沢田、その妻・淑子役の宮本信子、それぞれの若き日の姿を体現した菅田と永野芽郁が淡い光に包まれ、虹の架け橋によってつながっているかのようなビジュアルが完成した。

松竹の前身となる松竹キネマ合名社の設立、そして数々の名作を生み出した蒲田撮影所の開所を迎えた1920年から、今年で100周年を迎えた松竹映画。そんなメモリアルイヤーを記念した本作は、山田監督がメガホンをとり、人気小説家・原田マハ氏の同名小説(文春文庫刊)を映画化。クランクイン直後の3月下旬、主演に決定していた志村けんさんが逝去し、新型コロナウイルス感染拡大による撮影中断、映画館の休館など様々な困難に見舞われた。そして、新たに志村さんの遺志を継いだ沢田を迎え、撮影が再開されていた。

無類のギャンブル好きで借金まみれのゴウは、妻・淑子と娘・歩にも見放されたダメ親父。そんな彼がたった一つだけ愛してやまないものは、「映画」――。時はさかのぼり、若き日のゴウは助監督として撮影に明け暮れるかたわら、食堂の娘・淑子に恋をし、映写技師・テラシンとともに夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていた。しかし、ゴウは初監督作「キネマの神様」の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。そして、事故から半世紀が経った2020年、「キネマの神様」の脚本が出てきたことで、沈みかけていたゴウとその家族の運命が再び動き出す。

キャラクタービジュアルには、かつて辿った“銀幕の旅路”に思いを馳せているようなゴウ(沢田)の穏やかで、生き生きとした表情を活写。対する過去のゴウ(菅田)の眼差しは熱く、カチンコを片手に映画制作に全身全霊を傾けている。そして、家庭をかえりみない夫に業を煮やしながらも、何だかんだとゴウを支えてきた淑子(宮本)はあたたかく愛情に溢れた笑顔をのぞかせ、若き日の淑子(永野)は映画漬けの生活を送っていたゴウに、ほんのりと淡い恋の風を届ける。

注目すべきは、ビジュアルを彩る鮮やかな感光と背景だ。感光とは、フィルムなどの物質が光を受けて反応し、化学変化を起こすこと。登場人物たちの記憶の断片をフィルムに映し出しているかのような淡い光が差しこみ、ゴウと淑子の人生、それぞれの時を超える思いが凝縮されたような仕上がりとなった。

キネマの神様」は、21年に全国公開。

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