蒼井優の華、高橋一生の上手さを黒沢清監督が称賛 東出昌大は“声”の凄みに「お見事」
2020年10月17日 20:00

黒沢清監督の最新作「スパイの妻 劇場版」の公開記念舞台挨拶が10月17日、東京・新宿ピカデリーで行われ、黒沢監督をはじめ、蒼井優、高橋一生、東出昌大、坂東龍汰が出席。本日時点で世界89カ国での配給が決定したことが発表された。
本作は、第77回ベネチア国際映画祭の銀獅子賞(監督賞)を受賞。「スケールの大きい映画のように見えますが、撮影は予算やスケジュールでの“攻防戦”が繰り広げられていました。画の中にしかセットがないという部分も。でも、黒沢監督の作品は画の中を撮りながら、画の外も撮っている。そこが凄いなと思いました」と振り返った蒼井。黒沢作品の魅力を問われると「画の外からの圧と、外への広がり。骨太な映画ができたなと思います」と答えていた。
黒沢監督は、俳優陣へ多大な信頼を寄せていたようだ。「蒼井さんが華がある。画面に映ると、隅の方にいても、場合によっては後ろを向いていても輝く。もって生まれたものなんでしょうね。高橋さんは舌を巻くほど上手い。セリフが見ている側に飛び込んでくる。聞いていると光景が浮かんでくるんですよ。世界で一番上手いんじゃないかと思う」と蒼井と高橋を絶賛。高橋は、その言葉を聞くと「思い残すことがない。今日で終わってしまってもいいくらいの言葉です」と切り返していた。
やがて「東出さんは“あやしい”んです。それは『怪』と『妖』という2つの意味合いがあるんです。出てきた瞬間、何かが起こりそうだと――大好きです。坂東さんは、全然緊張していなかったですね。楽々やっていた。将来大物になる器なのかなと、呆れて見ていました。これからが非常に楽しみです」と評した黒沢監督。東出との共演を問われた蒼井は「楽しかったです。どっちに転ぶかわからないという部分、“期待”を持ってしまう柔らかい部分があるんです。お芝居の質、個性に動かされた部分がありました」と振り返る。東出は、その発言に対して、蒼井優の凄みを語りだした。
東出「“あの声”はどこから出てくるんだろうというほど、お見事で……。手をあげるシーンがあるんですけど、役者さんによっては『本当に叩いていい』『ここは叩かなくていい』と分かれるんです。蒼井優さんは、僕の中では“お芝居の化け物”。どっちなんだろうと思っていたんですが、『そこは全然たたかなくていいです』とかなり計算された芝居をされる。改めて凄い女優さんだなと……」
舞台挨拶の終盤、高橋は作品を通じたメッセージを投げかけた。「人間が志や信念を貫いていくということは、人に言えない秘密や抱えなくてはならないものがたくさん出てくるのかもしれない。そうすればそうするほど、個人というものと、その真逆となる大勢の対比がどんどんと見えてくるんじゃないかなと。それは今の世界でも通じるものかもしれない。この映画の面白いところは、それぞれの解釈の自由度。ひとりひとりの答えが出てくるような作品になっていると思います」と思いの丈を述べていた。
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