エレン・デジェネレスが謝罪 「エレンの部屋」内部調査の末に製作総指揮ひとりが解雇
2020年8月1日 08:00

[映画.com ニュース] エレン・デジェネレスが司会を務める米人気長寿トーク番組「エレンの部屋」の制作現場で問題が相次ぎ、内部調査の末に制作総指揮のひとりが解雇されたことが明らかになった。これを受け、デジェネレスはスタッフに対して謝罪の手紙を送ったと、米ハリウッド・レポーターが報じている。
発端は4月、バラエティが新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン期間中に、番組スタッフが不当な扱いを受けていると報じたことだ。それに続き、7月には米Buzzfeedが、同番組の制作現場で人種差別が横行しているとする記事を掲載した。
Buzzfeedは記事内では、マイクロアグレッション(自覚なき差別)にはじまり、同じ髪型をした黒人女性スタッフふたりに対して「見分けがつかない」と言うなどの悪質なジョーク、制作総指揮のひとりであるエド・グラビンによる差別的発言の数々などが報告されているとし、同番組が常々誓約として掲げている「スタッフがのびのびと働ける快適な職場環境」とはほど遠い実態を報じた。
このレポートを受け、制作総指揮を務めるグラビンとアンディ・ラスナー、メアリー・コネリーの3者は共同で声明を発表。「私たちファミリーのうちたったひとりであったとしても、そのようなネガティブな体験をしたことを知って、胸を痛めています。番組の制作に付帯する全責任を負う立場として今回の報道を重く受け止め、より良い職場環境作りのために一層の努力をしていくことを誓います」とBuzzfeedの主張を事実上認めつつ謝罪していた。
その後、番組の制作を手がける米テレピクチャーズ、ならびに米ワーナーメディアを親会社に持つ配給元のワーナー・ブラザース・テレビジョンは、それぞれスタッフ各位への社内メモで、ワーナーメディア労使関係対策部門および第三者機関によるヒアリングに協力するよう求めた。その結果、寄せられた苦情の多くの原因がグラビンにあることが判明し、グラビンは解雇されることになったという。ラスナーとコネリーは制作総指揮を継続すると見られている。
デジェネレスは、スタッフに宛てた手紙で「この番組の初日のミーティングで、『エレンの部屋』は幸せな場所になるだろうとみんなに話しました。誰も声を荒げることなく、誰もが敬意を持って扱われるでしょうと。しかし、明らかに何かが変わってしまいました。約束が果たされなかったことを知り、がっかりしています。本当に申し訳ありません」と謝罪した。
さらに、自身の名前を冠した番組での出来事に関してのすべての責任を認めたうえで、番組が大きくなるとともに「ほかの人に任せ、目が届かない部分がありました」「この結果は私が信じていること、そしてこの番組に期待していたこととは正反対のことです」「このようなことが二度と起こらないようにすることを約束します」と述べている。
デジェネレスは人格者としても知られ、2016年にはバラク・オバマ元米大統領からアメリカの民間人に送られる最高位の勲章である大統領自由勲章を贈られている。
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