ユニバーサル、ティムール・ベクマンベトフ監督の“スクリーンライフ”映画を5本獲得
2020年6月23日 15:00

[映画.com ニュース]米ユニバーサル・ピクチャーズが、カザフスタン出身のティムール・ベクマンベトフ監督の制作会社Bazelevsが手がける“スクリーンライフ”映画を5作品獲得する契約を締結したと、米Deadlineが報じている。
スクリーンライフ映画とは、「search サーチ」や「アンフレンデッド ダークウェブ」のようにコンピューターや携帯電話の画面のなかだけで展開する映画のことで、ベクマンベトフ監督はこの2作品でプロデューサーを務めている。「アンフレンデッド ダークウェブ」は製作費100万ドルに対して世界総興収6500万ドル、「search サーチ」は製作費88万ドルに対して世界総興収7500万ドルと、利益率が非常に高い。
「アンフレンデッド ダークウェブ」を配給したユニバーサルは、このほどベクマンベトフ監督の制作会社Bazelevsが手がけるスクリーンライフ映画の新作5本を獲得する契約を結んだ。ユニバーサルは、ベクマンベトフ監督のハリウッドデビュー作「ウォンテッド」(08)を手がけている。
ユニバーサルのダナ・ラングレー会長は、「ティムールは、すべての作品に新鮮な視点と独自の個性を持ちこんでくれます」「業界が変わっていくなかで、ティムールは世界中の人々とコネクトする新たな方法を見いだしました。ティムールとBazelevsのチームは、物語技法とテクノリジーをクリエイティブに融合し、現代的で、共感できる映画を作っています。パートナー関係を延長することで、今後も成功を共有していきたいと思っています」とベクマンベトフ監督の先読み力を絶賛している。
一方、ベクマンベトフ監督は「スクリーンライフ」の手法をあらゆるジャンルに持ち込むつもりだという。「ロマンティックコメディからSF、ホラー、ファンタジー、『search サーチ』のような犯罪ミステリーまで描くことができます。観客はスクリーンライフの言語を完璧に理解しているので、共感できます。なぜなら、スクリーンライフこそ、私たちの日常を反映しているのですから」
スクリーンライフ映画は、通常の映画と違って、リモートワークが可能というメリットがある。ベクマンベトフ監督は、「出演者やクルーがみんな安全な家にいたまま、映画を作ることができます。みんなそれぞれ異なる街に暮らし、直接会うことなしに、ただ画面を録画すればいいのです」と語り、大ヒット映画「ウォンテッド」の続編もスクリーンライフのフォーマットで製作可能だと言う。「現代の殺し屋が銃を手に走りまわるとは思えません。いまやドローンやコンピューター技術がありますから、もはや銃弾を曲げる必要はありません。曲げるのはアイデアだけです」
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